日韓関係は史上最悪の状態へ…尹錫悦大統領を弾劾へ追い込む”韓国の悪しき伝統”「恨」「先王殺し」とは何か


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さらには、今後の日韓関係への悪影響が懸念される。

恨(ハン)という思想

日本政府は、対韓輸出管理を厳格化させたが、対抗して韓国は日本製品のボイコットをした。安全保障の面でも、2018年8月には、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長しないという意向を表明するなど、日韓関係に大きな溝が生じた。

文在寅政権に代わった尹錫悦政権は、原告(徴用工)への賠償を韓国側が負担するなど、日韓関係の改善に努めてきた。しかし、尹錫悦の弾劾が確定し、大統領選が行われて野党の代表が当選すれば、また文在寅政権のときの最悪の日韓関係に逆戻りしかねない。

文在寅が実行した対日強硬策の背景にあるのは、朝鮮文化の基調をなす「恨(ハン)」の思想である。

「恨」とはどういうものなのか。これは、単なる恨み、辛みではなく、悲哀、無念さ、痛恨、無常観、優越者に対する憧憬や嫉妬などの感情をいう。

呉善花は「韓国の『恨』は、韓国伝統の独特な情緒です。恨は単なるうらみの情ではなく、達成したいけれども達成できない、自分の内部に生まれるある種の『くやしさ』に発しています。それが具体的な対象をもたないときは、自分に対する『嘆き』として表われ、具体的な対象を持つとそれが『うらみ』として表われ、相手に激しき恨をぶつけることになっていきます」と説明する(『朴槿恵の真実』、文春新書、2015年、229p)。

また、韓国思想史専門家の小倉紀蔵は、「〈ハン〉という韓国語に最もよくあてはまる日本語は、「あこがれ」なのである。もちろん〈ハン〉には『恨み』という意味はあるのだが、単なる恨みではなく、そこにはあこがれの裏打ちがあるのである。……そして〈ハン〉は上昇へのあこがれであると同時に、そのあこがれが何らかの障害によって挫折させられたという悲しみ・無念・痛み・わだかまり・辛みの思いでもある」と解説している(『韓国は一個の哲学である』、講談社学術文庫、2011年、51p)。



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