群馬県嬬恋村にある、良質なパウダースノーで人気の万座温泉スキー場が、今冬、リフトの営業本数と滑走コースを縮小せざるを得ない状況に直面しています。9月に発生した銅線ケーブルや金属類の大規模盗難の影響で、復旧作業が21日の営業開始に間に合わないことが原因です。運営会社の西武・プリンスホテルズワールドワイドの万座地区広報担当者は、この事態による営業機会の損失は計り知れないと語っています。
盗難被害でリフト、コース大幅縮小 スキー客への影響は?
標高1994メートルの万座山山頂付近からの絶景が魅力の万座温泉スキー場は、1987年公開の映画「私をスキーに連れてって」のロケ地としても知られ、スキーブームを牽引した場所の一つです。例年多くのスキー客で賑わい、昨冬は約6万人が訪れました。
万座温泉スキー場の人工降雪機
しかし、今冬は5本あるリフトのうち4本が運休となり、14コースあった滑走コースもわずか2コースに限定されることになりました。リフト券の料金は減額され、中学生以上の1日券は昨冬の5500円から3000円となります。この大幅な縮小は、スキー客に大きな影響を与えることが予想されます。スキー場関係者は、盗難被害の深刻さを改めて認識し、今後の対策強化を検討しています。
万座高原ホテルも休業決定 地域経済への影響懸念
スキー場に近い万座高原ホテルも、宿泊需要の減少を見込み、来年1月5日から3月22日まで休業することが決定しました。スキー場の営業縮小が、周辺の観光業にも深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。
専門家の見解
観光経済に詳しい専門家、例えば「レジャー産業研究所」の山田一郎氏(仮名)は、「今回の盗難事件は、スキー場だけでなく、地域経済全体への打撃となる可能性がある」と指摘します。「万座温泉はスキーリゾートとしてだけでなく、温泉地としても魅力的な場所です。しかし、スキー場の営業縮小は、観光客の減少につながり、地域経済の低迷を招く恐れがあります。早急な対策と、新たな観光資源の開発が求められるでしょう。」
近隣の宿泊施設や飲食店も、今後の見通しに不安を抱えています。地域一体となってこの困難を乗り越えるための取り組みが必要とされています。
まとめ:早期復旧と安全対策強化へ
万座温泉スキー場の盗難被害による営業縮小は、スキー客だけでなく、地域経済全体に大きな影響を与えることが懸念されます。一日も早い復旧と、再発防止のためのセキュリティ対策の強化が求められています。また、長期的な視点での観光振興策も必要となるでしょう。