高市早苗首相、「激ヤセ」報道の裏で進む政権運営の激務と議員定数削減法案の深まる波紋

自民党と日本維新の会が共同提出した衆議院議員の「定数削減法案」に盛り込まれた「自動削減条項」が政界に波紋を広げ、与野党から異論が噴出する中、高市早苗首相(64)の激務によるやつれぶりが注目を集めている。就任から46日目を迎える高市政権は、高い支持率を維持しつつも、内部では連日の重要課題への対応に追われている。本稿では、政権運営の現状と、今後の世論を左右しかねない重要課題に迫る。

就任後初の夜間会合:ホテルニューオータニでの幹部級集結

12月5日夜、東京・紀尾井町のホテルニューオータニにある西洋料理店「ベッラ・ヴィスタ」にて、高市首相主催による初の夜間会合が開催された。麻生太郎副総裁(85)、鈴木俊一幹事長(72)、萩生田光一幹事長代行(62)ら自民党主要幹部、木原稔官房長官(56)を含む官邸幹部ら総勢17名が一堂に会した。首相就任から46日目にして初めての夜の会合となった。
激務でやつれた様子の高市早苗首相激務でやつれた様子の高市早苗首相

高市首相は「飲み会嫌い」を公言しているが、この日は周囲の忠告に従い渋々会食を主催したと自民党関係者は明かす。首相は乾杯のシャンパンに軽く口をつけた程度で、ほとんど飲んでいなかったという。会食中、首相は正面の麻生副総裁らに気を配りつつ、「公明党が離脱した時はどうなるかと思いましたが、皆さまのおかげで何とかやってこられました。今後とも、引き続きよろしくお願いいたします」と感謝の意を述べた。また、麻生氏からは「定期的に食事会を行うように」と、政権運営における党内連携の重要性を示す苦言も呈された。

首相の多忙な日々:厳しい日程と揺るぎない国民支持

この会合の開始時間が遅かったことに対し、出席者からは翌日の地元での予定への影響を指摘する声も上がった。しかし、高市首相は日米首脳会談や党首討論の準備に追われ、連日多忙を極めていたため、他の日程で会合の時間を確保することは困難であったという。さらに、会合翌週の12月8日からは補正予算案の審議が始まり、17日の閉会に向けて臨時国会は山場を迎える時期であった。

このように厳しい日程の中、高市首相は好まぬ会合もこなし、党内の関係強化に腐心するなど、政権運営に全力を注いでいる。その努力は国民にも伝わっており、JNNが12月6日・7日に実施した世論調査では、高市政権は75.8%という高い支持率を維持している。この国民からの厚い支持が、現在の政権運営における大きな支えとなっている。

国民の関心を引く議員定数削減法案の行方

高市首相の政権運営には、今後の展開次第で世論の風向きを大きく変えかねない重要な問題を抱えている。それが、自民党と日本維新の会が12月5日に衆議院に共同提出した「衆議院議員の定数削減法案」である。

この法案に盛り込まれた「自動削減条項」は、その前代未聞の内容から与野党双方から強い異論が噴出しており、「茶番」とまであきれる声が上がるほど、政界内外で大きな議論を呼んでいる。高市政権がこの難しい問題にどのように対処し、国民の理解を得られるかが、今後の支持率にも大きく影響するだろう。