鈴木農水大臣「おこめ券」政策に大阪市長が異論連投、批判の波紋と市民の視線

物価高騰対策として農林水産省が導入を進める「おこめ券」政策が連日批判にさらされる中、大阪府交野市の山本景市長(45)が自身のX(旧Twitter)で鈴木憲和農水大臣(43)への異論を繰り返し投稿し、大きな波紋を広げています。当初は共感を呼んだ市長の発言ですが、その後の連投や他市との比較を匂わせる投稿には、「マウント」「しつこい」といった批判の声も上がり始めています。

鈴木大臣の「おこめ券」政策、高まる批判と専門家の指摘

鈴木農水大臣が表明した「おこめ券」による物価高騰対策には、導入当初から疑問の声が上がっていました。一部報道では、おこめ券の「経費率が12%」とされ、費用対効果の悪さが指摘されています。さらに、JA(農業協同組合)への利益誘導につながる可能性も示唆されており、政策の公平性に対する懸念も浮上しています。鈴木大臣は就任当初の会見で、「物価高対策の中でお米券やお米クーポンも含めて対応するのが、今すぐにできること」と提案。16日の記者会見では、おこめ券の活用について「それぞれの自治体の判断」と述べていますが、政策への批判は止む気配を見せていません。

交野市・山本市長、Xでの「屈しない」発言とその反響

こうした中、大阪・交野市の山本景市長が、鈴木大臣のおこめ券政策に対して早期から反対の立場を鮮明にしています。山本市長は11月29日、鈴木大臣の発言が掲載されたネットニュース記事を引用する形で、自身のXに「交野市はお米券を配布しません。」「農林水産大臣には意地でも屈しません。」と投稿。その後も11月30日には「交野市は、鈴木農林水産大臣の露骨なお米券への誘導には屈しません。」、12月5日には「鈴木農林水産大臣には屈しない」などと連投し、おこめ券反対の姿勢を崩していません。

鈴木憲和農水大臣が会見に臨む様子鈴木憲和農水大臣が会見に臨む様子

山本市長の「おこめ券反対」の姿勢に対し、Xのコメント欄には当初、「賛成!」「非常に正しい。」「これは正論だろう」といった好意的な意見が多く寄せられました。しかし、連日行われる鈴木大臣やおこめ券への批判の連投に対し、徐々に市民の反応は変化を見せ始めます。「さすがにしつこい」といった声が上がり、「何と戦ってるんですか?」「もう手打ちにしてくだされ。誰が見てもあなたの勝利。潮時では?」など、批判の長期化を疑問視するコメントが増加しました。

他市との比較で波紋、「マウント」と批判される山本市長の発言

さらに波紋を広げたのは、12月15日の山本市長のXの更新でした。山本市長は、同じ大阪府寝屋川市の広瀬慶輔市長(55)が自身のXに投稿した「水道料金の引落し口座を活用した一世帯あたり約13,000円の“現金給付”を行いたいと思います」という趣旨の投稿を引用。その上で、「交野市は、実質的な約1万6000円の現金給付を1世帯あたりにやりますよ。」「トータルの経費率は、お米券よりはるかにましの1%未満です。」と、交野市の現金給付の優位性を強調する投稿を行いました。

この投稿に対しては、「いいなぁ交野市」といった羨望の声もあったものの、「何を手柄競ってんねん」「同じ府内の他市の事例を持ち出し『うちの方がすごいんだぜ』というマウントを取る市長。恥ずかしいの一言に尽きる。」「なんでいちいちマウントをとった表現をするの?恥ずかしくて涙出る。。広瀬市長はこっち別にみてないよ。。」といった、他市との比較や競争姿勢に対する批判的な意見が多数寄せられました。政治家のSNSでの発言は、その内容だけでなく、伝え方や頻度によって市民の受け止め方が大きく変わることを示唆する事例と言えるでしょう。

まとめ

鈴木農水大臣の「おこめ券」政策に対する批判は、物価高騰に直面する市民にとって関心の高いテーマです。その中で、交野市の山本市長がSNS上で積極的に異論を唱えたことは注目を集めました。しかし、その後の発言の繰り返しや他市との比較を伴う表現は、「マウント」と受け止められ、当初の好意的な反応から一転して批判を招く結果となりました。政策の是非を問う議論は重要ですが、SNSを通じたコミュニケーションにおいては、その影響力と受け止められ方を慎重に考慮する必要があると言えるでしょう。