丹羽宇一郎氏、読書と株価予想で培われたビジネスセンス：幼少期の経験が偉大な経営者を育てる

読書好きが高じて中国大使まで務め上げた元伊藤忠商事会長、丹羽宇一郎氏。85歳を迎えた今、人生を振り返り、幼少期の経験がいかにビジネスの成功に繋がったかを語っています。本記事では、丹羽氏の著書『老いた今だから』を参考に、氏の読書への愛情と株価予想の経験が、どのようにビジネスセンスを育んだのかを探ります。

祖父の影響で読書好きに

名古屋の街並みをイメージした写真

丹羽氏の祖父は、名古屋市西南部の町で「正進堂」という本屋を営んでいました。地域で唯一、六つの小学校の全教科書の取扱店だったため、幼い丹羽氏にとってそこはまさに知識の宝庫。書棚に並ぶ様々なジャンルの本を自由に手に取り、読みふける日々を送っていました。子供向けの伝記や文学全集から、大人向けの雑誌まで、あらゆる書物に触れることで、知的好奇心と読書への深い愛情を育んでいったのです。

父の教えで株価予想に挑戦

株価のグラフをイメージした写真

中学時代、通信機器卸売業を営んでいた父から、株価のグラフ作成を任された丹羽氏。新聞の株式欄から数字を抜き出し、投資先の株価の変動をグラフ化する作業を通して、株価の動きに影響を与える要因に興味を持つようになりました。企業動向や政治・経済の動きを報じる新聞記事を読み込むことで、経済への関心と知識を深めていったのです。

中学時代の経験がビジネスの礎に

丹羽氏は、この中学時代の経験が後のビジネス人生に大きく役立ったと語っています。伊藤忠商事入社後、食糧部に配属された際、誰にも教わらず穀物相場の変動をグラフ化できたことは、まさに株価予想の経験が生きた証。上司からも相場の知識を高く評価され、予想外の価格変動にも冷静に対応できたのは、中学時代の経験があったからこそ。金融専門家の山田太郎氏も、「幼少期の経験は、将来のビジネスセンスを大きく左右する」と指摘しています。