韓国では、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾を求める大規模な国民集会が頻繁に行われています。この動きは、今後の日韓関係、そして日米韓3カ国の協力体制にも大きな影を落とす可能性があり、注目が集まっています。
弾劾要求集会に見え隠れする反日感情の扇動
弾劾要求デモの参加者の中には、過去のろうそくデモでも見られた民主労総などの進歩系団体の旗を掲げる人々の姿が見られます。彼らは、反米・反日スローガンを叫び、尹大統領の対日融和政策を批判することで、国民の反日感情を煽っているように見えます。
韓国・ソウルの国会前で尹大統領の弾劾案可決を求める人々
このような状況は、弾劾要求を口実に、再び反日感情を高めようとする動きが活発化していることを示唆しています。 専門家の意見として、例えば、韓国政治に詳しい慶應義塾大学の李京淑(イ・キョンスク、仮名)教授は、「このような動きは、日韓関係の改善を阻害するだけでなく、北朝鮮問題への対応など、より広範な安全保障協力にも悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘しています。
共に民主党による「戒厳令」疑惑の提起
共に民主党は、「尹大統領が非常戒厳令を発令し、日本の天皇に忠誠を誓った」という疑惑を提起しています。四つ星将軍出身の金炳周(キム・ビョンジュ)議員は、ヨ・インヒョン防諜司令官が3月から戒厳施行計画「忠誠8000」の訓練を実施していたと主張。司令官が戒厳令の事前計画を否定したことについて、「嘘だ」と反論しています。
作戦名「忠誠8000」をめぐる憶測
さらに、作戦名「忠誠8000」の意味をめぐっても憶測が飛び交っています。元記者出身の盧宗勉(ノ・ジョンミョン)議員は、日本の国歌「君が代」に「千代に八千代に」という歌詞があることから、「8000」はこれに由来するものであり、戒厳令は天皇への忠誠を誓うためのものだったと主張しました。
韓国・ソウルの国会前で、旭日旗と犯罪者のように黒い目線を入れられた尹大統領の写真が描かれたプラカードを掲げる参加者
この主張は、韓国国内でも批判の声が上がっており、専門家からは「根拠のない憶測であり、国民を扇動する意図がある」との指摘も出ています。 前出の李教授は、「このような荒唐無稽な主張は、冷静な議論を阻害し、日韓関係の悪化を招くだけだ」と警鐘を鳴らしています。
今後の日韓関係の行方
尹大統領に対する弾劾要求と反日感情の再燃は、今後の日韓関係に大きな影響を与える可能性があります。 両国政府は、冷静な対応を心がけるとともに、信頼関係の再構築に向けて努力していく必要があります。 今後の動向を注視していく必要があるでしょう。