アメリカ大統領選でドナルド・トランプ氏が再選を果たしました。この選挙戦の裏側で囁かれたのが陰謀論の存在、そしてイーロン・マスク氏率いるX(旧Twitter)の影響力です。果たして、陰謀論はトランプ氏の追い風となったのでしょうか?そして、マスク氏とXはどのような役割を果たしたのでしょうか?
陰謀論とトランプ氏の勝利
トランプ氏は選挙戦で「不法移民、インフレ、進歩主義的な政治」といった問題に焦点を当て、有権者の不安や恐怖心を巧みに利用しました。彼は様々な陰謀論を広め、支持を集めていったとされています。特定の陰謀論が勝利に直結したと断言するのは難しいものの、人々の不安につけ込む戦略が功を奏したことは否定できません。
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イーロン・マスク氏とXの役割
イーロン・マスク氏とX(旧Twitter)がトランプ氏の勝利に貢献したことはほぼ確実視されています。マスク氏の資金力とXの拡散力は、トランプ氏のメッセージを広く伝える上で大きな役割を果たしました。しかし、具体的にどれだけの票に影響を与えたのか、また今後の政権でマスク氏がどのような役割を担うのかは未知数です。 陰謀論専門家であるマイク・ロスチャイルド氏もこの点について言及しており、「トランプ氏とマスク氏の巨大なエゴを考えると、権力争いが勃発する可能性も否定できない」と指摘しています。
TwitterからXへ:陰謀論拡散の温床?
マスク氏によるTwitter買収と「X」への改名は、プラットフォームの在り方を大きく変えました。認証バッジの有料化は認証システムの崩壊を招き、陰謀論やヘイトスピーチ、過激な投稿が拡散しやすくなったと言われています。コンテンツモデレーターの削減も報じられており、プラットフォームの健全性が懸念されています。マスク氏自身も陰謀論的な発言をすることがあり、この状況の改善は難しいかもしれません。
なぜ人は陰謀論にハマるのか?
ロスチャイルド氏の著書『陰謀論はなぜ生まれるのか Qアノンとソーシャルメディア』によると、陰謀論を信じる人は必ずしも「過激派」ではなく、「普通の仕事や愛する家族」を持つ一般の人々であることが多いそうです。コロナ禍で人々の生活が激変し、不安や孤立感が増したことが陰謀論の蔓延に拍車をかけたと考えられます。陰謀論は、人々の不安や怒りに「理由」を与え、共感を呼ぶことで支持を広げていきます。経済的な困難や医療費の問題なども、人々を陰謀論に駆り立てる要因となります。
教育レベルは関係ない?
「自分は頭が良いから陰謀論には騙されない」と思う人もいるかもしれません。しかし、ロスチャイルド氏は「何かを信じるかどうかは教育レベルとは無関係」だと指摘します。陰謀論が自分の現状や考え方に合致すれば、人はそれを信じてしまうのです。人間の脳は、未知のものや理解できないものに「危険」を感じ取るようにできています。この本能的なメカニズムが、陰謀論を受け入れる土壌となっている可能性があります。
陰謀論との向き合い方
陰謀論は現代社会において無視できない問題です。正確な情報を見極め、批判的に考える力を養うことが重要です。信頼できる情報源にアクセスし、多角的な視点を持つことで、陰謀論に惑わされずに済みます。