グアムでの解剖研修の様子をSNSに投稿し、物議を醸している東京美容外科の黒田あいみ医師。献体への敬意を欠いた軽率な行動に、批判が殺到しています。高須クリニックの高須克弥院長も怒りを露わにし、医療倫理の在り方が問われています。本記事では、この騒動の経緯と背景、そして専門家の見解を交えて詳しく解説します。
グアム解剖研修で何が起きたのか?
2024年12月2日、黒田医師は自身のブログとインスタグラムに「いざ解剖研修@グアム!→打ち上げ☆」というタイトルで、グアムでの解剖研修の様子を投稿しました。投稿には、解剖中の献体の頭部画像や、医師らで並んだ記念写真などが含まれており、絵文字付きのコメントも添えられていました。これらの写真はモザイク処理が不十分で、献体の様子が露わになっていたことから、倫理観を問う声が殺到しました。
グアムでの解剖研修の様子
高須院長、怒りの声「馬鹿医者め! クズ」
この騒動に対し、高須クリニックの高須克弥院長はX(旧Twitter)で「南無阿弥陀仏。馬鹿医者め! クズ」と強い言葉で怒りを表明。自身の医学部時代の解剖実習では、献体への黙祷と顔の観察が作法であり、「この方が君たちに人体を教えてくださる師匠だと記憶せよ」という教授の教えが今も心に残っていると振り返りました。
黒田医師、謝罪文を掲載も…火に油を注ぐ結果に
批判を受け、黒田医師は12月23日にブログで謝罪。「写真に写ってしまったご遺体は全てモザイクをかけていたつもりでおりましたが一部出来ていないところがありましたこと、また医師でありながら人としての倫理観が欠如した投稿をしてしまったことについて心からお詫び申し上げます」と述べました。
黒田医師の謝罪文
さらに、日本での新鮮なご遺体での解剖研修機会の希少性や、美容医療トラブル増加への対策として研修の重要性を訴え、「より多くの医師に知ってもらいたい」という思いから投稿したと釈明しました。しかし、この釈明は「謝罪の仕方がズレている」「モザイクの有無ではなく、解剖現場の写真を載せること自体が問題」といった更なる批判を招きました。医療倫理に詳しいA大学医学部倫理学教授(仮名)は、「医療従事者としての自覚が欠如していると言わざるを得ない。献体への尊厳な姿勢と個人情報保護の意識が求められる」と指摘しています。
今後の医療倫理教育の課題
今回の騒動は、医療現場における倫理教育の重要性を改めて浮き彫りにしました。SNSの普及により、個人の情報発信が容易になった一方で、倫理的な配慮が欠けた情報発信は大きな影響力を持つ可能性があります。医療従事者には、高い倫理観と責任感に基づいた行動が求められることを再認識する必要があると言えるでしょう。