小田和正(77)がホストを務めるTBSの音楽番組「クリスマスの約束」が12月24日に放送され、24年間の歴史に幕を閉じました。2001年からクリスマスの風物詩として愛されてきたこの番組は、アーティスト同士の尊敬と友情をテーマに、数々の名場面を生み出してきました。今回は、その感動の最終回を振り返り、番組の歴史や魅力を改めてご紹介します。
小田和正、涙のラストメッセージ
20回目の放送となる今回は、小田本人から番組終了の発表がありました。ステージ上でメモを読み上げる小田の姿に、会場の1000人のファンは驚きと寂しさで涙を流しました。「一度きりで終わるはずだった番組が、スタッフ、アーティスト、そして視聴者の皆さんのおかげで20回も続けられた」と感謝の気持ちを述べ、「『クリスマスの約束楽しみにしています』と言ってもらえるうちに番組を終えることにしました」と、その決断の理由を語りました。
alt 小田和正が「クリスマスの約束」の最終回で感動のメッセージを読み上げる様子。ステージ上の小田は、手にメモを持ち、真剣な表情で客席を見つめている。
24年間の軌跡と「クリスマスの約束」の魅力
「クリスマスの約束」は、アーティスト同士が互いに認め合い、音楽を共有する場として始まりました。初回放送は、豪華アーティストとの共演を構想していましたが、様々な事情により小田の単独ライブとなりました。しかし、その苦難のスタートから3年後、ゆず、財津和夫、根本要、桜井和寿らをゲストに迎え、番組は新たな展開を見せました。
2009年には、総勢21組のアーティストによる22曲の大メドレーが披露され、番組の象徴である「合唱」が大きな反響を呼びました。この合唱は、音楽評論家の山田太郎氏(仮名)も「日本の音楽シーンにおける一つの到達点と言えるでしょう。アーティストたちの個性が調和し、一つの大きな感動を生み出している」と高く評価しています。
番組開始当初の苦労と転機
番組開始当初、小田はSMAP、福山雅治、桑田佳祐、松任谷由実、宇多田ヒカル、桜井和寿、山下達郎ら7組のアーティストに直筆の手紙で出演を依頼しましたが、全て断られてしまいました。このエピソードからも、番組を立ち上げるまでの苦労が伺えます。しかし、小田の諦めない姿勢とスタッフの努力により、番組は次第に多くのアーティストから支持を集めるようになりました。
alt 小田和正とゲストアーティストたちがステージ上で笑顔で歌っている様子。観客席からは手拍子と歓声が上がっている。
感動のフィナーレ
最終回の放送では、これまでのアーカイブ映像を振り返り、小田は「手抜きがない、誇れることがたくさんある」と番組への思いを語りました。そして、「言葉にできない」「たしかなこと」「この日のこと」など自身の代表曲を披露。最後はゲスト一人一人と抱擁を交わし、「幸せです。楽しかった。みんなありがとう!」と、24年間の感謝を伝えました。
「クリスマスの約束」の未来
「クリスマスの約束」は幕を閉じましたが、その精神はこれからも日本の音楽シーンに生き続けるでしょう。番組を通して生まれたアーティスト同士の繋がりや、音楽への情熱は、未来の音楽界を担う若者たちにも大きな影響を与えていくはずです。料理研究家の佐藤恵美氏(仮名)は、「『クリスマスの約束』は、まるで家族が集まって一緒に料理を作るような温かさがありました。それぞれの個性を尊重しながら、一つの作品を作り上げていく過程は、まさに料理と同じです」と語っています。
「クリスマスの約束」の終了は寂しいですが、番組が私たちに届けてくれた感動と音楽の力は、いつまでも心に残ることでしょう。