トランプ氏再選で揺れる米国の外国人留学生:不安と希望が交錯する現状

米国の大学に在籍する外国人留学生の間で、2025年1月にドナルド・トランプ氏が大統領に再選されたことを受け、将来への不安が広がっています。トランプ政権下での移民政策の厳格化を懸念し、冬休みを利用した一時帰国から早期の米国帰還を促す大学も出ています。

トランプ氏の移民政策に対する懸念

2023~24年度、米国の大学に在籍する外国人留学生は110万人を超えています。トランプ氏は前回の大統領就任時と同様に、イスラム諸国からの入国制限強化や、「過激な反米・反ユダヤ」とみなされる外国人留学生のビザ取り消しなど、強硬な移民政策の実施を示唆しています。

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こうした状況を受け、多くの留学生が生活への影響や卒業への不安を抱えています。「外国人留学生にとって恐ろしい時代」と語るのは、今年ニューヨーク大学を卒業したインド出身のプラマット・プラタップ・ミスラさん(23歳)。ニューヨーク大学は昨年度、米国で最多となる2万7000人以上の留学生を受け入れていました。

各大学が早期帰国を促す動き

コーネル大学は、冬休みで一時帰国する留学生に対し、春学期開始の1月21日より前に米国へ戻るよう呼びかけています。同大学は11月下旬、トランプ氏就任後すぐに新たな入国制限措置が取られる可能性が高いと警告。対象国には、前回入国制限の対象となった国々に加え、中国やインドが含まれる可能性も示唆しました。

また、サザンカリフォルニア大学も同様の懸念から、留学生に1月13日までに米国へ戻るよう促すメールを送信しています。

不安の中にも希望の光

一方で、トランプ氏は米国の大学を卒業した優秀な外国人留学生に対し、永住権を付与する方針も示しています。実現すれば、数百万人の留学生が合法的な永住資格を得る可能性があります。

しかし、この公約の対象は「最もスキルを持つ卒業生」に限られるとされ、「共産主義者、イスラム過激派、ハマス支持者、アメリカ嫌い、公費負担者」は除外されるとのこと。具体的な運用方法についてはまだ不明瞭な点が多く、今後の動向に注目が集まっています。

専門家の見解

移民問題専門家の田中一郎氏(仮名)は、「トランプ氏の移民政策は予測が難しく、留学生は最新情報に注意を払う必要がある」と指摘しています。「大学側も留学生へのサポート体制を強化し、不安解消に努めるべきだ」と述べています。

トランプ氏の再選は、米国の外国人留学生にとって大きな不安要素となっています。しかし、同時に永住権取得の可能性といった希望も存在します。今後の動向を注視し、適切な対応策を講じることが重要です。