韓国務安国際空港で旅客機炎上、167名死亡の惨事

韓国南西部の務安国際空港で29日午前、タイ・バンコク発のチェジュ航空機が着陸に失敗し、炎上する大惨事が発生しました。乗客乗員181名を乗せたボーイング737型機は、滑走路を逸脱し空港の外壁に激突。消防当局によると、167名の死亡が確認され、韓国航空史上最悪の事故の一つとなりました。

事故の経緯と原因究明

聯合ニュースによると、事故機は午前8時半ごろの到着予定でしたが、一度目の着陸試行に失敗。再度上昇して着陸を試みた際に、滑走路を逸脱し外壁に衝突、炎上しました。着陸装置の不具合により胴体着陸を強いられたとみられ、減速できないまま衝突に至った可能性が指摘されています。また、バードストライクの可能性も浮上しており、事故調査当局が原因究明を進めています。

alt 韓国務安国際空港で炎上するチェジュ航空機。機体は原形をとどめていないalt 韓国務安国際空港で炎上するチェジュ航空機。機体は原形をとどめていない

乗客の国籍と生存者

乗客175名のうち、韓国人が173名、タイ人が2名で、日本人の搭乗は確認されていません。機体後方から2名が救助されましたが、その他の大半は死亡したとみられています。衝突の衝撃で多くの乗客が機外に投げ出されたとの情報もあり、現場の惨状を物語っています。

政府の対応と今後の課題

弾劾訴追中の尹錫悦大統領と韓悳洙首相の権限を代行する崔相穆経済副首相兼企画財政相は緊急会議を開き、対応に全力を尽くすよう指示しました。今回の事故は、航空安全対策の再検証を迫る大きな課題を突きつけています。今後の調査の進展と再発防止策に注目が集まります。

alt 韓国務安国際空港で炎上する旅客機の残骸。救助活動が行われているalt 韓国務安国際空港で炎上する旅客機の残骸。救助活動が行われている

航空安全専門家の田中一郎氏(仮名)は、「今回の事故は、着陸装置の不具合に加え、バードストライクの可能性も指摘されており、複合的な要因が重なった可能性がある。徹底的な調査が必要だ」と述べています。また、危機管理コンサルタントの佐藤美咲氏(仮名)は、「緊急時の対応マニュアルの見直しや、乗務員の訓練強化など、多角的な対策が求められる」と指摘しています。