元「きぼうのいえ」理事長、山本雅基氏の今:愛猫と暮らす静かな日々

「きぼうのいえ」創設者、山本雅基氏の現在に迫ります。かつて270名もの高齢ホームレスの方々を支え、看取った山本氏。現在は、愛猫と共に静かに暮らしています。その生活、そして胸の内とは?

ホスピス創設から現在まで:波乱万丈の人生

マザー・テレサに感銘を受け、日本版「死を待つ人の家」としてホスピス「きぼうのいえ」を設立した山本雅基氏。しかし、スタッフとの確執により理事長職を解任。現在61歳、要介護状態となり、身寄りのない独居老人として生活しています。

alt="山本雅基氏の写真。高齢の男性が部屋の中で座っている。"alt="山本雅基氏の写真。高齢の男性が部屋の中で座っている。"

「きぼうのいえ」に戻る可能性について問われると、「無理無理、絶対に入れてくれないよ」と明るく笑う山本氏。自ら創設した施設に戻れないという現実を受け止め、前向きに生きようとする姿勢が垣間見えます。

愛猫と過ごす、吉原の1Kマンションでの生活

山本氏は、家賃の安さから吉原の1Kマンションで生活しています。家賃は月6万9800円。光熱費、医療費、食費は生活保護で賄われています。外出も控えるように言われているため、半ば寝たきりの生活を送っています。

alt="山本氏の自宅の様子。吉原にある1Kマンションの一室。"alt="山本氏の自宅の様子。吉原にある1Kマンションの一室。"

部屋はカーテンで閉め切られ、薄暗く、埃っぽい状態。猫を飼っているため、エアコンで除湿しているとのこと。作曲家の團伊玖磨氏のように、薄暗い部屋で創作活動をしていた例を挙げ、自身の生活スタイルを肯定しています。

孤独ではない、充実した日々

寝たきり生活で寂しくないのかという問いに対して、山本氏は「全然」と答えます。社会貢献者表彰の賞金で大型テレビを購入し、インターネットで音楽や映画を楽しんでいるとのこと。

「ローマの休日」や「砂の器」、「わたしが・棄てた・女」など、好きな映画を挙げ、「かなしい立場にいる人の気持ちを大切にしたい」と語っています。青春時代の歌謡曲を聴き直すこともあるそうです。

今後の展望

かつて多くの命と向き合ってきた山本氏。現在は静かな生活を送っていますが、その胸の内には様々な思いが去来していることでしょう。今後の山本氏の生活が穏やかで、そして少しでも幸せであることを願わずにはいられません。