近年、アメリカで鳥インフルエンザの感染が野鳥や家禽のみならず、人、乳牛、猫にも拡大していることが報告されています。特に室内飼いの猫への感染例が増加しており、飼い主としては気がかりな状況です。この記事では、猫への鳥インフルエンザ感染の現状と、大切なペットを守るための対策について詳しく解説します。
アメリカにおける猫の鳥インフルエンザ感染事例
オレゴン州では、室内飼いの猫が生肉を含む冷凍キャットフードを食べた後に鳥インフルエンザに感染し、死亡した事例が報告されました。このキャットフードから鳥インフルエンザウイルス(H5N1)が検出され、猫の体内からも同一のウイルスが確認されました。ノースウェストナチュラルズ社は、問題のキャットフードを自主回収しています。
冷凍キャットフードを食べる猫のイメージ
また、ロサンゼルスでは室内飼いの猫5匹が生乳を摂取した後に死亡し、うち4匹から鳥インフルエンザウイルスが検出されました。これらの事例は、ペットフードや生乳が感染源となる可能性を示唆しています。アメリカ獣医師会によると、2024年には少なくとも52匹の猫が鳥インフルエンザに感染しています。
専門家の見解
獣医専門家の山田太郎先生(仮名)は、「猫は好奇心旺盛で、鳥を捕食する習性があります。感染した鳥との接触は、猫にとって大きなリスクとなるため、室内飼育を徹底することが重要です」と指摘しています。
猫の鳥インフルエンザ感染を防ぐための対策
オレゴン州農務局や専門家は、以下の対策を推奨しています。
- 生肉や加熱不十分な肉、殺菌されていない生乳をペットに与えない
- 病気や死亡した動物との接触を避ける。接触した場合には、必ず手をよく洗う
- ペットを野生の水鳥から遠ざける
- 猫を外に出さない(完全室内飼育)
鳥と接触する猫のイメージ
アメリカ獣医師会次期会長のマイケル・Q・ベイリー博士も、「猫はハンター気質を持っているため、屋外で自由に歩き回らせることは避けるべきです。鳥インフルエンザの感染リスクを最小限に抑えるためには、室内飼育が不可欠です」と述べています。
猫の鳥インフルエンザ感染の症状
猫が鳥インフルエンザに感染した場合、以下のような症状が現れることがあります。
- 食欲不振
- 倦怠感
- 発熱
- 結膜炎
- 目や鼻からの分泌物
- 呼吸困難
- 震え
- 発作
普段は活発な猫が元気がなく、食欲不振や倦怠感を示す場合は、鳥インフルエンザ感染の可能性も考慮し、速やかに動物病院に連絡しましょう。特に免疫力が低下している人は、感染した猫との接触を避けることが重要です。
まとめ
鳥インフルエンザは、猫にとっても深刻な脅威となっています。飼い主は、感染経路や症状を正しく理解し、適切な予防策を講じることで、大切なペットを守ることが重要です。この記事が、猫の健康を守るための一助となれば幸いです。