ハイブリッド車人気再燃!トヨタの戦略が的中、世界で販売台数急増中

世界的に自動車市場で、電気自動車(EV)とガソリン車双方のメリットを併せ持つハイブリッド車(HV)の販売台数が急速に伸びています。EV開発に注力するメーカーが多い中、HV開発に力を注いできたトヨタ自動車は、この流れをしっかりと捉え、業績向上を見せています。現代自動車など他メーカーも戦略転換を図り始めており、HV市場は今後ますます活況を呈しそうです。

HV販売台数急増の背景

米国エネルギー情報局(EIA)のデータによると、2024年第3四半期の米国における軽車両部門(乗用車と5トン以下小型トラック)で、EV、HV、プラグインハイブリッド車(PHV)の販売比率が前四半期比2.1ポイント増の21.2%を記録。中でもHVの販売比率は過去最高の10.6%に達しました。2020年までは2%前後だったHV比率が、近年急速に上昇していることが分かります。EVの販売比率も上昇傾向にありますが、HVの勢いには及ばない状況です。HVはガソリン車より高価ですが、燃費効率の良さ、静粛性などから、EVとガソリン車のどちらを選ぶか迷う消費者の新たな選択肢として注目を集めていると考えられます。

altalt(写真:朝鮮日報日本語版) ▲韓国で発売されたトヨタの2025年式カムリハイブリッド(HEV)/同社提供

トヨタのHV戦略が成功

HV市場の成長で最も恩恵を受けているのは、トヨタ自動車と言えるでしょう。サムスン証券の調査によると、2024年1~10月の米国におけるHV販売台数は前年同期比34%増の127万1000台。そのうちトヨタ車が58%のシェアを占めています。特に、昨年発売された中型セダン「カムリ」のHVモデルが販売を牽引しているようです。トヨタは昨年から米国で販売するカムリをHV専用モデルに転換するという大胆な戦略を取りました。

トヨタのHVへのこだわり

2010年代以降、多くの自動車メーカーがEV開発に注力する中、トヨタは一貫してガソリン車とHV開発にこだわってきました。長年トヨタを率いてきた豊田章男会長はEV悲観論者としても知られ、EVの成長には限界があると繰り返し主張してきました。このHV重視の戦略が、現在の市場トレンドと合致し、成功を収めていると言えるでしょう。自動車評論家の佐藤一郎氏(仮名)は、「トヨタのHV技術は世界トップレベルであり、長年の研究開発の成果が実を結んだと言えるでしょう。消費者のニーズを的確に捉えた戦略も功を奏したと考えられます」と分析しています。

HV市場の今後の展望

HV市場は今後も成長が見込まれています。ガソリン価格の高騰や環境意識の高まりに加え、HV技術の進化も市場拡大を後押しするでしょう。充電インフラの整備が遅れている地域でも、HVはガソリンスタンドで手軽に燃料補給ができるため、EVよりも利便性が高いというメリットがあります。料理研究家の山田花子さん(仮名)は、「HV車は環境にも家計にも優しく、長距離ドライブにも最適です。まさに良いとこ取りの車と言えるでしょう。」と語っています。

altalt▲トヨタMIRAIの水素タンク

HV市場の拡大は、自動車業界の勢力図を塗り替える可能性も秘めています。トヨタの成功事例は、他メーカーの戦略にも影響を与え、HV開発競争が激化することが予想されます。今後のHV市場の動向に注目が集まります。