務安国際空港事故：ローカライザー設置基準違反で被害拡大か？

務安国際空港で発生した事故。その被害を拡大させた原因として、着陸誘導装置であるローカライザーとその土台のコンクリート構造物が、規定に違反して設置されていた可能性が浮上しています。今回は、この問題について詳しく解説し、事故との関連性を探ります。

ローカライザー設置場所の規定違反

国土交通部は当初、「ローカライザーとコンクリート構造物は滑走路端安全区域外にあるため、規定に違反していない」と説明していました。しかし、空港施設規定や国土交通部の離着陸場設置関連規定には、「精密進入用滑走路の滑走路端安全区域はローカライザー施設まで延長しなければならない」と明記されています。務安空港は精密進入用滑走路として設計されており、この規定に反している可能性が指摘されています。

務安国際空港のローカライザー

2020年にローカライザーの改良・交換工事が開始され、昨年はコンクリートによる補強作業も行われましたが、専門家は「この工事期間中に新たな規定に合わせて交換すべきだった」と指摘しています。滑走路端安全区域内外の施設では適用される規定が異なり、区域内の施設は設置基準が厳格です。務安空港のコンクリートの土台は、この基準に違反している可能性があります。

国土交通部の主張と専門家の反論

国土交通部は、「事故当時、延長工事などでローカライザーが作動していなかったため、務安空港は『非精密進入用滑走路』に変更されていた。そのため、精密進入用滑走路に関する規定は適用されない」と主張しています。しかし、この主張にも疑問の声が上がっています。

精密進入用滑走路かどうかに関わらず、規定が変更された時期によって別の規定が適用されるという説明は理解し難いという指摘があります。さらに、国土交通部と航空気象庁は、ローカライザー改良作業開始後も務安空港滑走路を「精密進入用滑走路」に分類している公式文書が存在します。航空法専門のファン・ホウォン航空大学教授は、「務安空港は設計段階から精密進入用滑走路とされていた。一時的に装備の状態が変わったとしても、それを理由に問題ないと結論づけるのは行き過ぎた法解釈だ」と反論しています。航空大学のキム・インギュ院長も、「ローカライザーと土台を壊れやすくしておけば、法律の趣旨に合致するだろう」と指摘しています。