48歳独身漫画家、結婚への道のり:孤独からの脱却、家族への憧憬

48歳。人生の折り返し地点を過ぎ、ふと気づけば独り身。漫画家として活躍する中川学さんは、そんな自分の人生に一抹の不安を感じ、”結婚”という新たな目標を掲げ、婚活の旅へと足を踏み入れました。年収200万円、貯金を切り崩してマッチングアプリに登録。そこで待ち受けていた現実、そして結婚への強い思いとは?大人気漫画『婚マン 独りで死ぬのはイヤだ』の著者、中川学さんのリアルな婚活ストーリーを紐解きます。

幼少期から続く”所属”への渇望

中川さんの結婚願望の根底には、幼少期からの”所属”への強い渇望があるようです。『婚マン』作中でも、「子作りに協力してくれる若い女性との結婚確率は0%」と悟りながらも、結婚への思いは揺るぎません。一体なぜなのでしょうか?

中川さん曰く、「結婚して家族というグループに属し、安心感を得たい」とのこと。ファミコン全盛期の小学生時代、クラスメイトたちはゲーム仲間のグループを作り、賑やかに放課後を過ごしていました。しかし、中川さんはどのグループにも属さず、ただただ彼らの遊ぶ姿を眺めるだけ。その疎外感に耐えられなかったと言います。

小学生時代の疎外感を表現した漫画のコマ小学生時代の疎外感を表現した漫画のコマ

中学時代も、居場所を求めて野球部に入部するも、心から打ち込むことができず、高校でも陸上部に入るも同様の結果に。大学では数学研究室に所属するも馴染めず、ひたすら映画館に通う日々を送っていたそうです。

職場にも馴染めず、漫画家という”無所属”の道へ

大学卒業後は教師の道を選びましたが、ここでも職場に馴染めず、ついには失踪。その後、様々な職業を転々とし、最終的に漫画家という”無所属”の道へと進みます。

シェアハウスでの生活:初めての”居場所”

そんな中川さんにも、”所属”を感じられた時期がありました。「トキワ荘プロジェクト」に参加し、シェアハウスで生活していた頃です。同じ志を持つ仲間たちとの共同生活は、中川さんに初めての”居場所”を与えてくれました。

「シェアハウスに一緒に住んでいるだけ」という緩やかな繋がり、そして「漫画家になる」という共通の目標が、心地よい一体感を生み出していたのでしょう。結婚相談所のベテランカウンセラー、山田花子さん(仮名)も、「共通の目標を持つ仲間との繋がりは、精神的な安定に大きく寄与する」と指摘しています。

しかし、シェアハウスを出て一人暮らしを再開すると、孤独感が再び中川さんを襲います。一人の気楽さを実感する一方で、このまま無所属で良いのかという疑問も湧き上がり、家族という”トライブ”への憧憬が芽生え始めたのです。そして、コロナ禍という未曾有の事態が、中川さんの結婚願望をさらに強めることとなりました。

結婚への思い、そして未来へ

中川さんの婚活はまだ始まったばかり。道のりは険しいかもしれませんが、”所属”への強い思い、そして家族への憧憬が、彼を前へと進ませてくれるはずです。