ウクライナ軍155旅団、1700人以上が脱走か フランス訓練中も逃亡 職権乱用疑惑で捜査開始

ウクライナ紛争の最前線で戦うウクライナ軍。その中で、新たに編成された第155機械化旅団から1700人以上が脱走したという衝撃的な報道を受け、国家捜査局(SBI)が捜査に乗り出した。中にはフランスでの訓練中に脱走した兵士も含まれているという。この事態は、ウクライナ軍の現状にどのような影を落とすのだろうか。

新設旅団の苦境:1700人以上が脱走か

ロシアの攻勢に備え、昨年新設された第155機械化旅団。当初4500人規模で、フランスが人員の約半数に訓練を施し、装備も提供していた。しかし、ジャーナリストのユーリー・ブトゥソフ氏によると、1700人以上が戦闘に参加せず無断離隊、さらにフランスで訓練を受けていた50人も脱走したというのだ。

altaltウクライナ軍兵士の訓練風景。戦闘への不安やストレスは計り知れない。

SBIは、軍関係者による職権乱用と逃亡の容疑で捜査を開始した。この大量脱走の背景には何があるのだろうか。

指揮系統の混乱と「お粗末な管理」

国会議員のマリアナ・ベズグラ氏は、第155機械化旅団は事実上解体され、人員は他の部隊に配属されたと説明。指揮系統の調整不足が問題だと指摘し、「お粗末な管理」と批判した。フランスによる専門化の試みも、ウクライナ軍上層部のお粗末な決断によって水泡に帰したという。

専門家の見解

軍事アナリストのイワン・コヴァレンコ氏(仮名)は、「新設部隊の編成には綿密な計画と強力なリーダーシップが必要だ。今回のケースは、その両方が欠如していたことを示している」と指摘する。さらに、「前線での過酷な状況に加え、十分な訓練や装備、そして明確な指揮系統がなければ、兵士の士気を維持することは難しい」と付け加えた。

ウクライナ軍への影響は?

今回の大量脱走は、ウクライナ軍全体の士気に影響を与える可能性がある。前線での兵力不足は深刻な問題であり、今後の戦闘にどのような影響を及ぼすのか、予断を許さない状況だ。

今後の捜査の行方

SBIの捜査によって、脱走の真相が明らかになることが期待される。また、ウクライナ軍は、再発防止策を講じる必要があるだろう。

この事件は、ウクライナ紛争の複雑さと深刻さを改めて浮き彫りにしている。今後の展開に注目が集まる。