立憲民主党・藤原規眞議員、『苺ましまろ』ポスター批判で物議 「醜悪」「一掃すべき」発言の波紋

衆議院議員のSNS投稿が「児童の性的表現」巡る議論を再燃

12月8日、立憲民主党の藤原規眞衆議院議員が自身のX(旧Twitter)に投稿した内容が、インターネット上で大きな波紋を広げている。藤原議員は、人気漫画『苺ましまろ』のポスターに対し、「こういう醜悪なものを許容しているから、人身売買で連れてこられてきた12歳のタイ人女性を『買う』醜悪な男が街なかを涎を垂らして徘徊することになる。一掃しなければならない」と強く批判した。

藤原議員が問題視したのは、「Welcome to JAPAN AKIHABARA」とデザインされたポスターで、水着姿の小学生の女児が浮き輪を持っているイラストが描かれている。この女児は、2001年に発売され、2005年にはアニメ化もされた人気作品『苺ましまろ』の主要キャラクター、松岡美羽(小学6年生)であることが確認されている。藤原議員は、このポスターが「児童の性」を連想させ、ひいては人身売買や性搾取につながるという警鐘を鳴らした形だ。

賛否両論を巻き起こす表現の自由と規制の議論

藤原議員の投稿は、ネット上で賛否両論を巻き起こしている。「このような表現は適切ではない」と賛同する声がある一方で、「絵を見て性的な行為を連想する人は元々問題があるのではないか」「適法な範囲で制作・頒布されている商業作品に対し、公人が『醜悪』『一掃すべき』と断じるのは言葉が過ぎる」といった強い反発も噴出している。

アニメ専門誌の記者によると、これは未成年キャラクターの扱いに関する価値観の揺れを示すものだという。これまでも公的機関のPRや広告に、いわゆる「萌えキャラ」が起用されるたびに、「適切ではない」との意見が必ず上がっていた。

立憲民主党の藤原規眞衆院議員の肖像。Xアカウント「@CDP_AICHI10」より。立憲民主党の藤原規眞衆院議員の肖像。Xアカウント「@CDP_AICHI10」より。

『苺ましまろ』は、シュールなギャグ漫画として知られており、作品を知る多くのファンは、登場人物を性的な文脈で捉えることは少ないと感じている。また、当該ポスターも性的な要素を強調したものではないという見方が一般的だ。

しかし、漫画やアニメなどの表現の自由を守るべきという立場がある一方で、昨今では子どもの性的対象化につながる表現を厳しく規制すべきだという意見も根強く存在する。どのような漫画やイラストであれば、公共の場所に広告として掲示しても良いのかについて、より踏み込んだ議論の必要性が指摘されている。作品の文脈を理解せず、ポスター単体で「排除」を訴えることに対するファンの懸念も大きい。

終わりに

今回の藤原規眞議員による『苺ましまろ』ポスターへの批判は、児童の性的表現を巡る社会的な対立を改めて浮き彫りにした。表現の自由と、子どもたちを性的搾取から守るための規制のバランスをいかに取るか、そして多様な価値観が共存する社会において、どのような基準が求められるのか。この議論は、今後も継続して深められるべき重要な課題であると言えるだろう。


参考文献