ユン大統領逮捕状執行失敗の衝撃:韓国の法治主義はどこへ?

韓国で大きな波紋を呼んでいるユン・ソクヨル大統領の逮捕状執行失敗。2022年12月3日に発生したとされる「内乱」事件の首謀者とされるユン大統領への逮捕状執行が、3日に失敗に終わったというニュースは、韓国社会に衝撃を与えています。民主主義国家における法治主義の根幹を揺るがすこの事態、一体何が起きているのでしょうか。jp24h.comでは、この事件の背景と今後の展望について詳しく解説します。

ユン大統領、200人の「人間の壁」に守られ逮捕回避

報道によると、ユン大統領は200人規模の支持者による「人間の壁」に守られ、国家捜査機関による逮捕状の執行を拒否しました。「弾劾であれ、捜査であれ、堂々と立ち向かう」と豪語していたにもかかわらず、逮捕の危機に直面すると身を隠したという事実は、国民の失望をさらに深める結果となりました。大統領官邸の外郭警備を担う陸軍首都防衛司令部の兵力まで動員し、自らの身を守ろうとしたユン大統領。この行動は、軍の私物化であり、大統領としての品位を疑わせるものと言わざるを得ません。

人間の壁人間の壁

適法な捜査を拒否、支持者に決起促す手紙も

ユン大統領はこれまで、裁判所が発行した逮捕状に様々な理由をつけて執行を拒否してきました。国家捜査機関による今回の逮捕状執行についても違法だと主張しているようですが、これは3回の出頭要求にも応じなかった容疑者が言うべき言葉ではありません。高位公職者犯罪捜査処(公捜処)、警察、国防部が設置した捜査本部による捜査は適法であり、捜査権の問題もすでに解消済みです。検察総長まで務めた人物が、このような行動をとるとは、国の行く末よりも自身の保身しか考えていないのではないでしょうか。

警護処の行き過ぎた行動、大統領権限代行の責任は?

ユン大統領の逮捕を妨害した警護処の行動も問題視されています。パク・チョンジュン警護処長は、裁判所が発行した令状を無視し、大統領警護法を盾に令状執行を妨害したとされています。大統領官邸などに対する家宅捜索も不当に妨害しており、憲法を守る義務を負う公務員としての責任を放棄していると言えます。国家捜査機関は、パク処長をはじめ、法執行を妨害した警護処の幹部を厳正に処罰すべきです。

警護処警護処

さらに、チェ・サンモク大統領権限代行の責任も問われています。警護処の行き過ぎた行動を制御できる唯一の人物であるにもかかわらず、経済界の新年挨拶会に出席し、「経済が再生してはじめて大韓民国が再生する」と発言したチェ権限代行。公捜処からの措置要求にも関わらず、「公捜処と警護処が判断すべきこと」と問題を回避しました。今こそ大統領権限代行として、警護処の幹部を罷免し、事態の収拾に積極的に取り組むべきではないでしょうか。韓国経済の最大のリスクは「ユン・ソクヨル」そのものです。この問題を解決せずして、経済再生はあり得ません。

国家捜査機関の無能力も露呈

今回の逮捕状執行失敗は、国家捜査機関の無能力も露呈しました。大統領の警護人員が200人を超えていることは周知の事実であるにもかかわらず、わずか100人しか動員していなかったというのです。3回の出頭要求にも応じなかったユン大統領が、素直に逮捕に応じると考えたのでしょうか。それとも、最初から失敗を前提とした作戦だったのでしょうか。真相究明が必要です。

「ユン・ソクヨル断罪」に韓国の未来がかかっている

年が明けても、12・3内乱のトラウマは韓国社会に暗い影を落としています。極右勢力はユン大統領をイエスになぞらえ、「また戒厳をすればよい」と第二の内乱を扇動しているという報道もあります。内乱事態は、首謀者を処断しなければ決して終わりません。「ユン・ソクヨル断罪」こそが、韓国の未来を守る唯一の道と言えるでしょう。

ユン大統領ユン大統領

韓国の民主主義の未来

今回の事件は、韓国の民主主義の未来を占う試金石となるでしょう。法治主義が軽視され、権力が私物化されるようなことがあってはなりません。国民の声に耳を傾け、真の民主主義国家としての道を歩むことが、韓国の未来にとって不可欠です。