日本の古民家に暮らす。そんな憧れを抱く人は少なくないでしょう。この記事では、オーストラリア人夫婦が築150年以上の古民家をわずか345万円で購入し、日本の田舎で新たな人生をスタートさせた物語をご紹介します。夢の実現に向けてどのように行動したのか、その道のりを紐解いていきます。
オーストラリア人夫婦の日本移住物語
デボラさんとジェイソンさんのブラウン夫妻は、長年の夢であった日本での生活を実現するため、2023年に島根県益田市の築150年以上の古民家を2万3000ドル(約345万円)で購入しました。子育てを終え、第二の人生を日本で送りたいという強い思いが、彼らをこの大きな決断へと導きました。
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デボラさんは1990年代に大学で日本語を学び、卒業後は5年間東京で英語教師として働いていました。30年間続けている空手を通して、日本の文化への理解も深めてきました。夫のジェイソンさんもデボラさんの影響で日本に魅了され、夫婦で何度も日本を訪れるようになりました。
空き家バンクとの出会い
日本への移住を具体的に考え始めたのは、コロナ禍の頃でした。人口減少と都市部への人口集中により、地方には多くの空き家が存在することを知ったのです。 日本政府が空き家対策として、改修補助金や無料物件の提供など様々な取り組みを行っていることも、彼らの背中を押しました。
インターネットで空き家情報を探し、Facebookグループで同じ志を持つ人たちと情報交換しながら、希望に合う物件を探し続けました。都会の喧騒から離れ、自然豊かな場所で暮らしたいという思いから、地方の物件に絞って探しました。
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理想の古民家との出会い
国境が開かれた2022年11月、夫妻はすぐに日本へ渡航。2023年4月には、リストアップしておいた物件を車で見て回りました。そして、ついに島根県益田市美都町で理想の古民家を見つけました。明治時代に建てられた築150年以上の伝統的な日本家屋で、かつては酒蔵として使われていたそうです。
地元の「空き家バンク」を通して物件を購入するために、様々な手続きが必要でした。日本語での書類作成や、家族構成、職業、購入目的など詳細な情報を提出する必要がありました。厳格な審査でしたが、彼らの熱意が認められ、ついに夢の古民家を手に入れることができたのです。
古民家再生への挑戦と地域との繋がり
築150年の古民家は、長年の空き家生活で傷みが目立ちます。しかし、ブラウン夫妻はこれから時間をかけて、自分たちの手でこの古民家を修復していく予定です。 日本の田舎でのスローライフを楽しみながら、地域コミュニティとの繋がりを大切にしていきたいと考えています。「地域に溶け込むことが、日本で家を所有する上で最も重要だ」と語るブラウン夫妻。
日本の古民家で新たな人生をスタートさせたブラウン夫妻の物語は、多くの人々に夢と希望を与えてくれるでしょう。彼らが日本の田舎でどのように生活を築き、地域と関わっていくのか、今後の展開が楽しみです。