医療過疎地の医師不足解消に向け、徳島県が画期的な取り組みを開始しています。なんと、サーフィンをフックに医師を誘致しているのです。この記事では、岡山県から週1回、徳島県海陽町の海南病院で診察を行う吉永孝優医師のケースを中心に、徳島県のユニークな戦略と、その成果について詳しく解説します。
サーフィンと医療を両立!医師の新たなワークスタイル
岡山県笠岡市の笠岡第一病院に勤務する吉永医師(30歳)は、週に一度、100km以上離れた徳島県海陽町の海南病院で診察を行っています。午前2時に自宅を出発し、午前5時には海陽町の宍喰ビーチに到着。約3時間のサーフィンを楽しんだ後、午前9時から海南病院で診察を開始するという、驚きのスケジュールです。
サーフィンを楽しむ吉永医師
このワークスタイルを実現させたのは、研修医時代の指導医である國永直樹医師(45歳)からの「海南病院ではサーフィンができるよ」という誘いでした。吉永医師は「医師としての仕事以外に、趣味や家族との時間も大切にしたい」という思いから、この誘いに乗ったといいます。
再びサーフィンを楽しむ吉永医師
國永医師によると、吉永医師は週1回の徳島での勤務にも関わらず、サーフィンを通してパワーをもらい、生き生きと働いているとのこと。 まさにワークライフバランスの理想形と言えるでしょう。
徳島県の医師不足の現状と、サーフィン誘致の背景
徳島県は人口10万人当たりの医師数が全国1位ですが、医師の平均年齢は54.2歳と全国で最も高く、都市部への偏在も課題となっています。 海南病院のある海陽町には、県全体の医師のわずか0.38%しか勤務していません。
國永医師(左)と吉永医師(右)
このような状況を打破するため、徳島県はサーフィンを活かした医師誘致戦略を展開しています。 海南病院と阿南医療センターは、2024年3月にサーフィン専門雑誌「Blue.」に求人広告を掲載。「海を愛する医療従事者の皆様 その力を必要としています」と呼びかけました。
47NEWS提供の写真
地域医療への貢献と将来への展望
徳島大学医学部出身の吉永医師は、いずれ徳島県への移住も考えているとのこと。 小さな病院でも多くの学びがあると語り、若い世代の医師にも研修などで徳島を訪れ、その魅力を知ってほしいと訴えています。
徳島県立海部病院の看護師、奥井絵理香さん
徳島県病院局の福壽由法局長は、吉永医師のような人材の確保が地域医療の向上に大きく貢献すると期待を寄せています。
まとめ:サーフィンで地域医療を活性化
徳島県のサーフィンを活用した医師誘致は、ワークライフバランスを重視する若い医師にとって魅力的な選択肢となるでしょう。 この取り組みが成功すれば、他の地域医療過疎地でも同様の取り組みが広がり、医師不足の解消につながる可能性を秘めています。