イーロン・マスク氏、テスラやスペースXのCEOとして世界的に著名な実業家。革新的なアイデアと大胆な発言で常に注目を集める人物ですが、最近は政治への介入をめぐり、欧州各国首脳との対立が激化しています。一体何が起きているのでしょうか?
ドイツ総選挙への介入で批判噴出
マスク氏は、来月に迫ったドイツ総選挙で極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への支持を表明し、波紋を広げています。SNSや週刊誌への寄稿でAfDを「ドイツを救う唯一の政党」と持ち上げ、首相候補との対談も計画しているとのこと。さらに、現職のショルツ首相やシュタインマイヤー大統領を「無能なばか」「反民主暴君」と痛烈に批判し、世論を煽っているとして非難を浴びています。
イーロン・マスク氏
ショルツ首相は「冷静さを維持しなければならない。注目を集めたいだけの者に反応するべきではない」と発言。ドイツ政府報道官も「大多数の国民は分別があり、品格を重んじている。マスク氏の嘘や個人的な意見がドイツに影響を与えることはない」と反論しています。
イギリス首相との舌戦も勃発
ドイツだけでなく、イギリスのスターマー首相ともオンライン上で激しい論争を繰り広げています。マスク氏は、スターマー首相が過去に検察局長を務めていた際に児童性搾取事件を隠蔽したという極右勢力の主張をSNSで拡散し、辞任を要求。スターマー首相は「政治的な議論は活発に行われるべきだが、事実に基づいたものでなければならない」と反論し、マスク氏の主張を「行き過ぎた行為」と非難しました。
しかし、マスク氏はこれにもひるまず、「スターマーは政治的利益のために幼い少女と親たちの訴えを無視した」と再反論。両者の対立は深まるばかりです。
各国首脳から懸念の声
マスク氏の度重なる政治介入に対し、フランスのマクロン大統領も懸念を示しています。新年会で「世界最大のSNS(X)の所有者が国際的な反動運動を支援し、選挙にまで介入するとは誰が想像しただろうか」と発言。
トランプ前大統領とマスク氏
ノルウェーのストーレ首相も公営放送で「莫大なアクセス権と経済的資源を持つ人物が他国の内政に直接関与することは憂慮すべき事態だ」とコメント。マスク氏がノルウェーの政治にも介入を試みた場合は、政界が団結して対抗する必要があると強調しました。
マスク氏の真意はどこに?
なぜマスク氏はこれほどまでに政治に介入するのでしょうか?一部の専門家は、彼の行動は単なる注目集めではなく、自らのビジネスを守るための戦略的な行動だと分析しています。政治への影響力を高めることで、テスラやスペースXの事業展開を有利に進めようとしているのではないかという見方もあります。
専門家の見解
国際政治アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「マスク氏の行動は、ビジネスと政治の境界線を曖昧にする危険な行為だ」と指摘。「彼の影響力は計り知れないため、各国政府は適切な対応策を講じる必要がある」と警鐘を鳴らしています。
今後の展開は?
マスク氏の政治介入は今後さらにエスカレートする可能性があります。各国首脳はどのように対応していくのか、そしてマスク氏の真意はどこにあるのか、今後の展開に注目が集まります。