ウクライナ無人水上艇、世界初!空対空ミサイルでロシア軍ヘリ撃墜の快挙

ウクライナ紛争において、革新的な戦術が次々と生まれています。今回、ウクライナ軍が開発した無人水上艇が、世界で初めて空対空ミサイルを用いてロシア軍ヘリコプターを撃墜するという歴史的な快挙を達成しました。これは、今後の海戦のあり方を変える可能性を秘めた、まさに革命的な出来事です。

無人水上艇「マグラV5」とは?

ウクライナ国防省情報総局(HUR)が運用する全長5.5mの無人水上艇「マグラV5」は、高度な技術と創意工夫の結晶です。ウクライナの技術者たちは、空軍から借用したセンサーと赤外線誘導のR-73空対空ミサイルを組み合わせ、独自のシステムを開発。これを「マグラV5」に搭載することで、対空戦闘能力を付与することに成功しました。

ウクライナ軍の無人水上艇「マグラV5」ウクライナ軍の無人水上艇「マグラV5」

2024年12月末、この「マグラV5」がロシア軍のMi-8ヘリコプターと交戦し、見事撃墜しました。無人水上艇による空中目標の撃墜は世界初であり、海戦における新たな時代の幕開けを象徴する出来事と言えるでしょう。HURは戦闘の様子を収めた映像を公開し、この「歴史的な攻撃」を誇っています。

ウクライナ無人艇、ロシア黒海艦隊に痛撃

「マグラV5」や「シーベビー」といったウクライナの使い捨て無人攻撃艇は、2024年、すでに疲弊していたロシア黒海艦隊に大きな打撃を与えました。これらの無人艇は爆発物を搭載し、クリミアの停泊地を襲撃。コルベット、揚陸艦、哨戒艇、タグボートなど、多くの艦艇を次々と沈めていきました。

これらの攻撃により、ロシア黒海艦隊の艦艇数は、開戦前の3分の2弱にまで減少。残存艦艇の防衛を強化するため、ロシア海軍はクリミアとロシア南部の海軍基地周辺の警備を強化し、ヘリコプターやラプトル級哨戒艇によるパトロールを intensifying しました。

無人水上艇の進化:対空戦闘能力の獲得

こうした状況に対抗するため、ウクライナは2024年春頃から無人水上艇のアップグレードに着手。重機関銃用の遠隔操作式銃塔やR-73空対空ミサイルを搭載するなど、対空戦闘能力の向上に努めました。

R-73空対空ミサイル搭載の衝撃

R-73ミサイルを搭載した無人水上艇は、2024年5月に初めて姿を現し、ロシア空軍関係者に衝撃を与えました。ロシア空軍系のテレグラムチャンネル「Fighterbomber」は、「ウクライナはどうにかしてR-73ミサイルを無人水上艇の遠隔制御システムと連携させた」と驚きを隠せない様子で伝えています。

シーベビーの初陣:Mi-8ヘリを損傷

銃で武装した「シーベビー」は、2024年12月上旬に初めて空中目標との戦闘を行いました。迎撃に来た複数のMi-8ヘリコプターに対し、機関銃で数発射撃。少なくとも1機に損傷を与え、搭乗員にも死傷者が出た可能性があるとの報告が、ウクライナ保安庁(SBU)から出ています。

無人艇による防空システムの可能性

フィンランドのアナリスト、ヨニ・アスコラ氏は、無人水上艇によるヘリコプター撃墜を「前例のない出来事であり、黒海でのロシアの作戦に重大な影響を及ぼす」と評価しています。

さらに、ウクライナは同様のセンサーやミサイルを地上ロボットにも搭載できる可能性があると指摘。「無人車両を用いてこの成果を低コストで再現できれば、短距離防空能力を強化できる可能性がある」と述べています。

この歴史的な出来事は、将来の戦争における無人兵器の役割、そして海戦の様相を大きく変える可能性を秘めています。今後のウクライナ軍の動向、そして各国の軍事戦略への影響に注目が集まっています。