保育士不足が深刻化する中、異色の経歴を持つ新たな人材が誕生しようとしています。なんと、63歳になる元事件記者が保育士への道を歩み始めたのです。長年事件現場の最前線で活躍してきた彼が、なぜ全く異なる分野である保育の世界に飛び込んだのか?今回は、緒方健二氏の著書「事件記者 保育士になる」(CCCメディアハウス)を参考に、彼の新たな挑戦について詳しくご紹介します。
事件記者から保育士へ:63歳の決断
長年、新聞記者として事件を追いかけてきた緒方健二氏。63歳にして早期退職を選び、第二の人生として保育士を目指すという驚くべき決断をしました。これまで培ってきた経験やスキルは一見、保育とは無縁のように思えますが、彼の中に芽生えた保育への情熱は本物です。一体何が彼を突き動かしたのでしょうか?
alt元事件記者の緒方健二氏。保育士資格取得を目指し、新たな挑戦をスタート。
数々の事件現場を経験し、人の心に寄り添ってきた緒方氏。子供たちの未来を育む保育の仕事に、新たな可能性を感じたと言います。「子供たちの笑顔を守りたい」という強い思いが、彼を保育士への道へと導いたのです。日本保育協会の理事長(仮名)も、「異業種からの参入は保育業界にとって大きな力となる」と期待を寄せています。
新たな学び舎へ:緊張の入学式
2022年4月5日、桜舞う晴天の中、緒方氏は東筑紫短期大学の入学式に臨みました。長年慣れ親しんだ「戦闘服」である黒スーツに身を包み、緊張と期待が入り混じる表情で式典に挑みます。
式典開始1時間前に会場に到着した緒方氏。タクシーの運転手から「いってらっしゃい、せんせい」と声をかけられたエピソードからも、彼の決意が伝わってきます。周囲の若い学生たちとは違う、風格と落ち着きを感じさせる佇まいは、まさに人生経験豊富なベテランの風格です。
新たな仲間との出会い
会場には、緒方氏と同じように保育士を目指す学生たちが集まっていました。マスク越しでは表情を読み取れませんでしたが、緒方氏は長年培ってきた観察眼で、彼らの緊張感を感じ取っていました。
alt入学式で新入生と共に。新たな仲間との出会いは、緒方氏にとって大きな刺激となった。
保育士への道:未来への希望
63歳からの新たな挑戦は、決して容易な道ではありません。しかし、緒方氏は「子供たちの未来のために貢献したい」という強い信念を持ち、日々努力を重ねています。彼の挑戦は、年齢に関係なく夢を追い続けることの大切さを教えてくれます。保育士不足が叫ばれる現代において、緒方氏のような異業種からの参入は、新たな希望の光となるでしょう。