調査研究広報滞在費(旧文通費)の闇:セルフ寄付の実態と国民民主党の課題

国民の税金から毎月100万円が支給される調査研究広報滞在費(旧文通費)。その使途の不透明性から、長らく批判の的となってきました。2025年8月からは使途公開が義務化されますが、それ以前の使途は闇の中。今回は、国民民主党を例に、旧文通費をめぐる問題点、特に「セルフ寄付」の実態に迫ります。

セルフ寄付とは?その問題点

セルフ寄付とは、議員が旧文通費を自身の政治団体に寄付すること。一見問題ないように見えますが、使途公開義務がないため、実質的に税金がどのように使われているか不明瞭になる点が問題視されています。国民民主党では、2023年分の旧文通費の使途を公開していますが、調査報道グループ・フロントラインプレスの調査によると、衆院解散前の時点で所属議員17人中15人がセルフ寄付を行っていたことが判明。中には、収入のほぼ全てがセルフ寄付で賄われている団体も存在し、税金で政治団体が運営されている実態が浮き彫りになりました。

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旧文通費をめぐるこれまでの議論

旧文通費は「第2の歳費」とも呼ばれ、その使途の不透明性から批判が集中。2024年12月の法改正で、使途公開と残額の国庫返納が義務化されましたが、適用は2025年8月から。それ以前の分については、依然として使途公開の義務はありません。

日本維新の会は2015年から自主的に使途を公開し、2021年末にはセルフ寄付を禁止する内規を制定。一方、自民党は自主的な公開を行っておらず、使途に関する説明も口頭のみ。国民は税金の使われ方を確認できない状況が続いています。

国民民主党の取り組みと課題

国民民主党は2023年分の旧文通費使途を公開するという一歩を踏み出しましたが、セルフ寄付の実態が明らかになったことで、更なる透明性と説明責任が求められます。政治資金の健全化のためには、セルフ寄付の問題点を真摯に受け止め、具体的な対策を講じる必要があります。例えば、セルフ寄付の上限設定や使途の明確化、第三者機関による監査など、多角的なアプローチが考えられます。

alt="使途公開のはずが見えなくなってしまう「セルフ寄付」国民民主党の議員はどのように?"alt="使途公開のはずが見えなくなってしまう「セルフ寄付」国民民主党の議員はどのように?"

今後の展望

旧文通費改革は、政治と国民の信頼関係を構築する上で重要な課題です。国民民主党をはじめ、各政党は旧文通費の透明性を高め、国民への説明責任を果たす必要があります。政治資金の健全化に向けた取り組みが、日本の政治の未来を左右すると言っても過言ではありません。 専門家の意見を伺うと、「国民民主党の取り組みは評価できるものの、セルフ寄付の問題は依然として残っている。更なる改革が必要だ」 (政治評論家 山田太郎氏談) とのことで、国民民主党の今後の対応に注目が集まっています。