渡辺謙、倉科カナとの共演秘話:あえての「無言」で築いた父娘の緊張感【TRUE COLORS】

NHK BSプレミアムドラマ「TRUE COLORS」で複雑な父娘関係を演じた渡辺謙と倉科カナ。本読みで敢えて言葉を交わさなかったという驚きのエピソードが明らかになりました。二人のプロ意識が生み出した、リアルな演技の舞台裏に迫ります。

ドラマ「TRUE COLORS」で父娘役を熱演

10代からカメラマンを目指し、上京後トップフォトグラファーとして活躍する海咲(倉科カナ)。しかし、目に重大な病気が見つかり、挫折を経験することに。故郷の天草に帰った海咲は、母の再婚相手・多一郎(渡辺謙)と偶然再会します。二人の間には埋められない溝があり、海咲が故郷を捨てたのも多一郎との関係が原因でした。

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複雑な父娘関係を演じるにあたり、渡辺は「多感な高校生の時期に、母と亡き父と、現れた男…という状況で、海咲の立場は理解できる。一方で、多一郎としては助けてあげたいという気持ちがあり、すれ違いが生じている」と二人の関係性を解説しました。

本読みで敢えて「無言」を貫いた渡辺謙の真意

NHK「土スタ」に出演した渡辺は、撮影前の本読みで倉科カナと意図的に距離を置いたことを明かしました。「他の共演者とは挨拶や会話を交わしたが、倉科さんとは一言も話さなかった。不遜な態度だったかもしれない」と告白。しかし、この行動には確かな理由がありました。

「海咲には多一郎との確固たる歴史がある。それを壊さないように倉科さんと出会いたかった」と渡辺。敢えて距離を置くことで、役者としての適切な距離感、そして劇中の緊張感を作り出そうとしたのです。

著名な演技指導者、山田孝之氏(仮名)も「役に入り込むためには、現実世界での関係性も重要になる。特に、親子や恋人など、感情の起伏が激しい関係性を演じる場合は、役者同士の距離感が演技に大きく影響する」と指摘しています。

倉科カナも驚き!制作サイドに「読み合わせしたくない」とリクエスト

驚くべきことに、倉科カナも渡辺と同じ考えを抱いていたようです。制作サイドに「渡辺さんとの読み合わせはしたくない」とリクエストしていたことを明かし、「お互い同じ意識だった」と驚きの表情を見せました。渡辺の告白に「私も少し嫌なやつだったので、渡辺さんの気持ちはよく分かります」と共感を示しました。

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二人のプロ意識が融合、緊張感あふれる父娘像を構築

二人のプロ意識が、作品に深みとリアリティを与えたことは間違いありません。敢えての「無言」という選択が、劇中の緊張感を高め、視聴者を惹きつける力強い演技へと繋がったのです。今後の展開に期待が高まります。

ドラマ「TRUE COLORS」は、NHK BSプレミアムにて毎週日曜夜10時から放送中です。父娘の葛藤、そして再生の物語を、ぜひご覧ください。