トランプ前大統領の側近として知られるスティーブ・バノン氏が、イーロン・マスク氏を痛烈に批判しました。高技能外国人労働者向けのH1Bビザを巡る両者の対立は、次期政権への影響力争いを映し出すものとして注目を集めています。
H1Bビザを巡る対立の背景
バノン氏は、シリコンバレーの技術者の多くが外国人であることを指摘し、H1Bビザ制度の利用を批判。特にマスク氏に対しては、「本物の悪党」とまで言い放ち、南アフリカ出身であることを持ち出して人種差別的な発言も飛び出しました。
スティーブ・バノン元首席戦略官
一方、マスク氏は、H1Bビザ制度の積極的な活用を主張。高度人材の確保はアメリカ経済の成長に不可欠だと考えています。世界一の富豪として知られるマスク氏は、2024年の大統領選でトランプ陣営に多額の献金を行い、勝利に貢献しました。その影響力は新政権でも無視できないものとなっています。
保守層の不満と次期政権の課題
トランプ前大統領は不法移民の取り締まりを強化する一方、合法的な外国人労働者の受け入れには前向きな姿勢を見せていました。しかし、保守層の中にはH1Bビザ制度に批判的な意見を持つ人も少なくありません。人材不足解消と移民制限のバランスをどう取るかが、次期政権の大きな課題となるでしょう。
専門家の見解
人事コンサルタントの山田花子氏(仮名)は、「H1Bビザ制度は、優秀な人材を確保するための重要なツールである一方、国内労働市場への影響も考慮する必要がある」と指摘しています。「次期政権は、経済成長と雇用創出の両立を図る政策を打ち出すことが求められる」と述べています。
イーロン・マスク氏
バノン氏とマスク氏の今後の動向
バノン氏は政権を去った後も、メディアを通じて影響力を行使し続けています。一方、マスク氏は新政権で政府外助言機関「政府効率化省(DOGE)」を率いるとされ、政策決定への関与が予想されます。両者の対立は、今後ますます激化していく可能性があります。
まとめ
H1Bビザ問題を巡るバノン氏とマスク氏の対立は、次期政権における政策の方向性を占う上で重要な意味を持ちます。今後の動向に注目が集まります。