韓国務安国際空港で発生したアシアナ航空旅客機事故を受け、朴庠禹(パク・サンウ)国土交通部長官は、事故被害を拡大させた要因の一つとして指摘されているローカライザー(電波航法施設)をはじめとする滑走路周辺の防衛各施設について、安全対策の強化を表明しました。
事故を重く見た国土交通省、迅速な改善策を約束
朴長官は国会国土交通委員会全体会議において、「縦断安全区域付近に危険な施設があるのは正しくない」と述べ、迅速な改善を約束。当初年内としていた改善完了時期をさらに前倒しし、今月中に改善案を策定、早急に作業を開始する方針を示しました。
alt
国土交通省が実施した特別点検では、務安空港を含む7つの空港で、計9つの防衛各施設に改善が必要なことが判明しました。務安空港と同様のコンクリート丘状の方位角施設構造物が光州、麗水、浦項慶州空港に、コンクリートが地上に突き出た構造物が金海、泗川空港にそれぞれ2つずつ、そして済州空港にはH型鋼の頑丈な構造物が存在することが明らかになりました。
危険な施設物の設置は「非常に間違ったこと」
朴長官は、非常対策区域に危険な施設物を設置したことは「非常に間違ったこと」であると公式に認め、鳥探知レーダーや滑走路離脱防止システム(EMAS)の導入も検討すると表明しました。航空安全の専門家、田中一郎氏(仮名)は「滑走路周辺の安全対策は、万が一の事態に備え、多層的なアプローチが必要だ」と指摘しています。
国土交通省の初期対応に批判の声
事故直後、国土交通省は務安空港のローカライザーが規定に従って設置されていたと発表しましたが、この釈明に批判が集中。朴長官は、「制動力を失った航空機がどこに行くか分からない状況で、ローカライザーの位置が数メートルずれていることが大きな意味を持たない」と述べ、初期対応の不備を認めました。
より安全な空の旅を目指して
今回の事故を教訓に、国土交通省は滑走路周辺の安全対策を強化し、旅客の安全確保に全力を尽くすとしています。 航空安全コンサルタントの佐藤美咲氏(仮名)は、「今回の改善策は、航空安全における重要な一歩となるだろう。しかし、継続的な見直しと改善が不可欠だ」と述べています。
今回の事故は、航空安全における課題を改めて浮き彫りにしました。より安全な空の旅の実現に向けて、関係機関の不断の努力が求められます。