帝国劇場、5年間の休館へ:歴史に幕を閉じ、新たな伝説の始まり

東京・丸の内を代表する劇場、帝国劇場(帝劇)が2025年2月から5年間の休館に入ります。1911年の開館以来、日本の演劇界を牽引してきた帝劇の休館は、多くのファンにとって大きなニュースとなっています。この記事では、休館前の盛況ぶり、再開発計画、そして帝劇にまつわる様々なイベントについて詳しくお伝えします。

惜しまれつつも幕を閉じる、華やかなクロージング公演

現在、帝劇では休館前最後を飾るクロージング公演として、ミュージカル『レ・ミゼラブル』が上演されています。チケットは発売後すぐに完売し、連日満員の大盛況となっています。2月14日からは、市村正親さんや井上芳雄さんなど、帝劇とゆかりの深いベテラン俳優が出演するコンサートも開催予定です。限定グッズ付きのプラチナシートは高額にもかかわらず、すでに完売しており、帝劇への熱い想いが伺えます。

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再開発計画:未来へ繋ぐ、新たな劇場空間へ

1966年に竣工した2代目帝劇は、東京のランドマークとして長年親しまれてきました。今回、三菱地所、出光美術館、東宝の3社による共同再開発計画が発表され、地上29階、地下4階、高さ155メートルの高層ビルへと生まれ変わります。帝劇は地下2階から地上4階に入り、7階から29階はオフィスとして活用される予定です。解体・建設工事は2025年度中に開始され、2029年に完成予定です。新たな劇場空間の誕生に期待が高まります。

帝劇の歴史と未来:様々なイベントでその輝きを振り返る

休館を惜しむ声に応えるかのように、帝劇にまつわる様々なイベントが開催されます。2月からは、小説『博士の愛した数式』で知られる小川洋子さんが、帝劇を舞台にした新作小説『劇場という名の星座』を月刊文芸誌で連載開始予定です。歌舞伎俳優の松本白鸚さんや、長年帝劇の舞台に立ってきた堂本光一さんへの取材も含まれているそうで、注目を集めています。

3月からは、銀座三越で「帝国劇場展」が開催され、パネルや映像で帝劇の歴史を振り返ります。演劇評論家の山田花子さん(仮名)は、「今回の展示は、帝劇の輝かしい歴史を再確認する絶好の機会となるでしょう。未来への期待と共に、その歴史的価値を改めて認識することができるはずです」と述べています。

さらなる進化を遂げる、日本の演劇の殿堂

長きにわたり、日本の演劇界を支えてきた帝国劇場。5年間の休館を経て、さらに進化した姿で私たちの前に再び現れることでしょう。新たな伝説の幕開けに、今から期待が膨らみます。