アメリカで中国系動画投稿アプリ「TikTok」の利用を禁止する法律の発効を目前に、TikTokが米国で使用できなくなりました。1億7000万人ものユーザーを抱えるTikTokの突然のサービス停止は、大きな波紋を広げています。
TikTok利用禁止の背景
今回の利用停止は、連邦最高裁が「TikTok」のアメリカ国内での利用を実質的に禁止する法律を合憲と判断したことに端を発しています。安全保障上の懸念を理由にTikTok側の差し止め請求は退けられ、19日の「禁止法」発効を前にサービスが停止されました。
alt(TikTokアプリのダウンロード画面。現在はアクセス不可となっている)
TikTokユーザーへの影響
TikTokで生計を立てているクリエイターも多く、今回のサービス停止は彼らの生活に大きな影響を与えることが懸念されています。影響の範囲は広く、経済的な損失だけでなく、表現の場を失うことによる精神的なダメージも無視できません。 ITジャーナリストの山田一郎氏は「多くの若手クリエイターにとって、TikTokは収入源であると同時に、自己表現の場でもあった。今回の措置は、彼らのキャリアに大きな影を落とすだろう」と語っています。
トランプ新大統領の動向
注目が集まっているのは、20日に就任するトランプ新大統領の動向です。2024年の大統領選挙でTikTokがトランプ氏の若い支持者を増やすことに貢献した経緯もあり、今後の対応が焦点となっています。
禁止措置の先送り?
トランプ氏はNBCテレビのインタビューで、禁止法の施行を90日間停止する可能性を示唆しました。就任初日に禁止を先送りする大統領令への署名を検討しているとの見方もあり、今後の動向に注目が集まります。国際政治アナリストの佐藤花子氏は、「トランプ氏はTikTokの持つ影響力を認識しており、自らの政治戦略に利用する可能性も視野に入れているのではないか」と分析しています。
今後の展望
TikTokの利用禁止をめぐる状況は、米中関係の緊張の高まりを象徴する出来事と言えるでしょう。今後の展開次第では、国際的なIT企業の事業戦略にも大きな影響を与える可能性があります。 TikTokの広報担当者は、「我々は引き続き米国政府と協議を行い、ユーザーの皆様が安心してTikTokを利用できるよう最善を尽くします」とコメントしています。