【ヒトメタニューモウイルス感染拡大】春節目前、日本への影響は?薬不足で重症化リスクも

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)の感染拡大が中国で深刻化しています。春節を控え、日本への影響も懸念される中、hMPVとはどのようなウイルスで、どういった対策が必要なのでしょうか。この記事では、hMPVの症状、感染経路、重症化リスク、そして何よりも重要な予防策について詳しく解説します。

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)とは?

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は、風邪に似た症状を引き起こす呼吸器系のウイルスです。特に1歳から3歳までの幼児や高齢者、基礎疾患を持つ方は重症化のリスクが高いため注意が必要です。感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染と、ウイルスが付着した手で顔や口を触ることによる接触感染です。

hMPVに感染した乳幼児が病院で治療を受けている様子hMPVに感染した乳幼児が病院で治療を受けている様子

hMPVの症状と重症化リスク

hMPVの主な症状は発熱、咳、鼻水などで、通常は1週間程度で回復します。しかし、重症化すると気管支炎や肺炎を引き起こす可能性があり、乳幼児、高齢者、基礎疾患のある方は命に関わるケースもあります。

五良会クリニック高輪白金の五藤良将理事長は、「hMPV自体は適切な治療で回復が見込める感染症だが、薬不足の現状では重症化リスクが高まる」と警鐘を鳴らしています。

薬不足が重症化を招く?

現在、日本は深刻な薬不足に直面しています。インフルエンザ治療薬のオセルタミビルをはじめ、咳止め、去痰剤、吸入薬などの供給が不足しており、hMPVの治療にも影響が出ることが懸念されています。

春節の中国の様子。多くの人が移動することで感染拡大のリスクが高まる春節の中国の様子。多くの人が移動することで感染拡大のリスクが高まる

五藤医師は、「hMPVの重症化で細菌感染を併発した場合、抗生物質の投与が必要となるが、薬不足のために最悪のケースも想定される」と指摘しています。

春節と感染拡大リスク

90億人が移動すると言われる春節。中国人観光客の増加に伴い、日本でhMPVが感染爆発するリスクも高まります。医療資源が逼迫している状況下での感染拡大は、医療現場に大きな負担をかけることになります。

hMPVへの対策と予防策

hMPVから身を守るためには、感染予防の徹底が重要です。マスクの着用、こまめな手洗い、アルコール消毒を心がけ、人混みを避けるようにしましょう。また、発熱や咳などの症状が出た場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診することが大切です。特に基礎疾患のある方は、症状が軽くても受診を検討してください。

専門家の中には、「栄養バランスの良い食事や十分な睡眠をとることで免疫力を高めることも重要」と指摘する声もあります。(例:健康栄養アドバイザー 佐藤花子氏)

まとめ

hMPVの感染拡大は、薬不足という深刻な問題と重なり、大きな脅威となる可能性があります。一人ひとりが感染予防を徹底し、早期受診を心がけることが重要です。また、国レベルでの対策も急務であり、医療資源の安定供給と国民の安心を確保する政策が求められています。