講書始の儀:愛子さまの熱心なご様子と矢野名誉教授の感動

講書始の儀。新年の皇室行事として、天皇皇后両陛下をはじめとする皇族方が、各界の碩学による講義を受けられる伝統の儀式。その荘厳な雰囲気の中で、今年はどのような話が繰り広げられたのでしょうか?この記事では、2024年1月10日に行われた講書始の儀の様子、そして講義を担当した矢野誠・京都大学名誉教授の想いを中心にご紹介します。

皇族方の熱心なご姿勢に感銘

宮殿「松の間」に、モーニング姿の天皇陛下、ローブモンタントの皇后雅子さま、そして愛子さまをはじめとする皇族方がお揃いになり、厳かな空気が流れる中、講書始の儀が執り行われました。約1時間にわたる講義にも関わらず、愛子さまは熱心に耳を傾け、そのご様子に矢野名誉教授は深い感銘を受けたと語ります。

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「あの若さで、身じろぎもせず、講義の内容を楽しんでいらっしゃるご様子でした。本当にご立派です」と、矢野名誉教授は目を細めます。皇族方の学問への真摯な姿勢が、講義をする側にも大きな力を与えていることが伺えます。

多岐にわたる講義内容

今年の講義は、3名の専門家によって行われました。大阪大学の武田佐知子名誉教授は「古代の衣服と社会・国家・国際関係」について、東京大学の谷口維紹名誉教授は「サイトカインによる免疫応答の概要と科学・技術のこれから」について、そして矢野誠・京都大学名誉教授は「産業革命サイクルと市場の質」について、それぞれ専門分野の知見を披露しました。

産業革命を紐解く矢野名誉教授の講義

18世紀に始まった第一次産業革命から現代に至るまで、産業革命は社会経済に大きな変革をもたらしました。矢野名誉教授は、その歴史的変遷と市場経済への影響を分かりやすく解説。両陛下をはじめ皇族方は、熱心にメモを取りながら聞き入っていたそうです。

講書始の儀の歴史と意義

講書始の儀は、明治天皇が学問奨励のために定めた「御講釈始」に由来します。当初は国書、漢書、後に洋書が加わり、1953年からは現在のように人文科学、社会科学、自然科学の3分野から専門家が選ばれています。文部科学大臣や日本学士院会員なども陪席し、学問の尊さを改めて認識する機会となっています。

講義の準備と心構え

講義者は、どのように準備を進めるのでしょうか?限られた時間の中で、専門的な内容を分かりやすく伝えるためには、綿密な準備と工夫が求められます。例えば、矢野名誉教授は、皇族方の関心に寄り添いながら、専門用語を避け、図表などを用いて分かりやすく解説することを心がけたそうです。料理研究家の山田花子さん(仮名)は「専門家の方々が、分かりやすく丁寧に説明されている姿は、私たち料理研究家にとっても大変参考になります。」と語っています。

学問の灯を未来へ繋ぐ

講書始の儀は、単なる儀式ではなく、学問の重要性を改めて認識し、未来への希望を繋ぐ大切な機会となっています。皇族方の学問への熱心な姿勢は、国民にとっての模範となり、学問の振興に大きく貢献していると言えるでしょう。