大湾区航空(GBA)が、2月と3月に合計128便を欠航すると発表し、旅行業界に衝撃が走っています。この記事では、欠航の理由、影響、そして大湾区航空の今後の展望について詳しく解説します。
欠航の背景と影響範囲
大湾区航空は、新機材の納入遅延と既存機材の定期点検の必要性を理由に、2月と3月に128便の欠航を決定しました。この欠航により、約5500人の搭乗客に影響が出ると予想されています。欠航の影響は日本路線にも及び、徳島、米子、仙台便などが含まれます。既に搭乗予定者には通知が送られ、香港の旅行会社は対応に追われています。
大湾区航空の飛行機
大湾区航空は、航空券の再予約・払い戻し(手数料は全額免除)に加え、欠航による損失に対する個別の補償も検討しています。また、今回の事態を受け、「フライトスケジューリングプロセスに過失があった」ことを認め、カスタマーサービスセンターの人員を増員し、迅速な発券手配を可能にしたと発表しました。
ソウル線運休申請の背景
ソウル線に関しては、搭乗率の低迷と業績不振を理由に、香港と韓国の航空当局に運休申請を行ったことも明らかになりました。
香港路線への期待と課題
2022年に運航を開始した大湾区航空は、バンコク、台北などに続き、2023年には成田便で日本市場に参入しました。キャセイドラゴン航空出身の経営陣・社員が多く、2020年に消滅した同社の路線を補完する存在として期待を集めています。現在、成田線は毎日2便、大阪(関西国際空港)は週12往復、鳥取米子便と徳島便は週3往復、昨年12月に就航した仙台便は週4往復で運航しています。日本以外では、台北、バンコク、マニラ、中国本土の舟山、黄山、宜昌に路線を展開しています。
日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2024年の訪日香港人観光客数は前年比26.9%増の268万3500人を記録しました。この背景には、大湾区航空の日本路線維持が大きく貢献していると考えられます。
一方で、コロナ禍前の水準には及ばず、地方への送客は依然として重要な課題です。オーバーツーリズムが懸念される中、地方路線に積極的に就航してきた大湾区航空への期待はますます高まっています。
大湾区航空の今後の展望
大湾区航空は現在、ボーイング737-800型機で運航しており、今年6月頃に2機を追加納入予定です。年末までに保有機材を10機まで拡大する計画を掲げています。
航空アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「今回の欠航は短期的な痛手となるものの、機材の拡充と運航体制の改善により、大湾区航空は中長期的に成長を続けると予想される。特に、地方路線への注力は、日本の観光産業活性化にも大きく貢献するだろう」と述べています。
大湾区航空の今後の動向は、日本と香港間の観光交流、そして地方経済の活性化に大きな影響を与えることが予想されます。