深海に潜む巨大生物、等脚類。ベトナム沖で発見された新種は、なんとあのダース・ベイダー卿にそっくり!その名も「バチノムス・バデリ」。スター・ウォーズファンならずとも、興味をそそられる発見ですね。この記事では、バチノムス・バデリの特徴や生態、そしてベトナムにおける等脚類の食文化についても迫ります。
ダース・ベイダーの再来?新種巨大等脚類「バチノムス・バデリ」とは
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学術誌「ズーキーズ」に掲載された研究によると、ベトナム沖で発見されたこの巨大等脚類は、南シナ海で見つかった他のバチノムス属とは異なる特徴を持つ新種と判明。ダース・ベイダーを彷彿とさせるその姿から、「バチノムス・バデリ」と命名されました。体長は32.5cm以上、重さは1kg以上にもなり、世界最大級の等脚類の一つと言えるでしょう。硬い外骨格と7対の脚が特徴で、海底で死骸を食べることで深海の生態系において重要な役割を果たしています。
深海の掃除屋、巨大等脚類の生態
インドネシア国立研究革新庁(BRIN)の研究者、コニ・シダバロク博士によると、バチノムス・バデリは他の等脚類と同様に、海底に生息し、死んだ生物を食べて栄養分を再利用する「深海の掃除屋」。その巨大な体は、海底での生存競争を有利に進めるための進化なのかもしれません。カリフォルニア大学のラナ・チェン名誉教授(海洋生物学)は、一般的な等脚類の体長が2.5cmに満たないことを考えると、バチノムス・バデリの大きさは特筆に値すると指摘しています。
ベトナムで珍重される等脚類の食文化
なんと、ベトナムでは等脚類が珍味として人気を集めているとのこと。その身はロブスターに例えられることもあり、2017年には1匹200万ベトナムドン(約1万2000円)で取引されたこともあったそうです。漁獲量の増加に伴い価格は下落傾向にあるものの、現在でも高値で取引されているようです。
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バチノムス・バデリ、今後の研究に期待
バチノムス・バデリの発見は、深海生物の多様性と生態系の複雑さを改めて示すものと言えるでしょう。今後の研究によって、その生態や進化の過程がさらに解明されることが期待されます。また、等脚類の食用利用が進む中で、持続可能な漁業管理の必要性も高まっています。
深海の謎を解き明かす、新たな一歩
バチノムス・バデリは、深海の謎を解き明かすための、新たな一歩となるかもしれません。今後の研究成果に注目が集まります。