大阪で朝鮮学校への高校無償化などを求める「火曜日行動」が600回を迎え、記念集会とパレードが行われました。13年もの間、無償化を求める声が上がり続けているにも関わらず、未だ実現には至っていません。本記事では、この長年の活動と、参加者たちの熱い思いに迫ります。
13年の訴え、朝鮮学校無償化への道
2012年4月から始まった「火曜日行動」。年末年始を除き、毎週欠かさず続けられてきました。600回目を迎えた今回は、約350人の日本人と在日コリアンが大阪城公園に集まり、府庁周辺をパレードしました。
alt="火曜日行動600回記念パレードの様子。プラカードを掲げ、訴えを続ける参加者たち。"
東大阪朝鮮初級学校オモニ会会長の金明姫さんは、「ウリハッキョ(私たちの学校)は子どもたちがアイデンティティーを育む大切な場所」と訴え、子どもたちの未来のために声を上げ続ける決意を表明しました。
無償化排除の現状と課題
2010年にスタートした高校無償化制度。多くの外国人学校が無償化の対象となっている一方で、朝鮮学校は拉致問題などを理由に除外されています。これを受け、大阪府や大阪市も補助金を停止。学校の運営は圧迫され、府内の朝鮮学校は8校から5校に減少しました。
司法、そして国際社会からの声
大阪地裁は2017年、無償化排除を「違法」と判断する判決を下しました(その後、最高裁で敗訴確定)。弁護団長の丹羽雅雄弁護士は、この判決が朝鮮学校の意義を認め、国連からも差別的対応だと勧告されていることを踏まえたものだと強調しました。
alt="火曜日行動600回記念集会の様子。壇上でスピーチをする参加者。"
大阪朝鮮中高級学校教員の邵基允さんは、自身も朝鮮学校出身。無償化問題が解決しないまま600回を迎えたことへの無念さを語りました。高校時代、ラグビー部で全国大会ベスト8に輝いた邵さんは、「なぜ朝鮮学校だけが排除されるのか」と疑問を投げかけました。
草の根の支援と未来への希望
火曜日行動の中心メンバーである大村和子さんは、無償化排除を「民族差別であり、排外主義」と批判。共生社会の実現に向け、日本社会が変わらなければならないと訴えました。大村さんは給食提供や奨学金制度を通じ、朝鮮学校の子どもたちを支援しています。
600回のパレード、そして未来へ
記念集会後、参加者たちは「朝鮮学校を差別するな」「子どもたちの学習権を奪うな」と訴えながら、府庁周辺をパレードしました。国連も改善を要請しているにも関わらず、日本政府は未だ姿勢を変えていません。
「声よ集まれ歌となれ」――火曜日行動で歌われるこの歌は、彼らの切実な願いを象徴しています。不合理な差別に、国や自治体は真摯に向き合うべきではないでしょうか。