元タレントの中居正広さん(52)と女性とのトラブルを巡り、フジテレビのCMがACジャパンの公共広告に続々と切り替わっているが、そのうちの1本のCMが「受験界隈」で物議を醸している。
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野球場のそばを小学生くらいの少年が歩くシーンで、そのCMは始まる。立ち止まって、練習する子供たちをまぶしそうに見つめる少年。だが、指導者の男性が少年に気付き、「野球やってくか」と声をかけると走って逃げ出してしまう。
続いて映像は少年の自宅のシーンに切り替わる。90点を取った算数のテストの答案用紙が机に置かれている。少年の隣には母親の姿がある。
母親は「私たち頑張ったよね。今は勉強だけしていればいいの」と語りかける。少年の両肩に手を置き「全部あなたのためだからね」と言い聞かせる。少年に笑顔はなく、「これはぼくのためなんだ」と心の中でつぶやく……。
その後、画面は暗転し、次のようなテロップが表れる。
《子どもの精神的幸福度37位(先進国38か国中)》
2020年のユニセフの調査による、日本の実際の順位だ。
後日、再び少年がグラウンドのそばを歩いていると、ボールが転がってきた。
「思いっきり投げてこい」
先日の指導者の男性は少年にそう言って、こう続ける。
「野球やりたいんだろう。おいで」
少年は満面の笑みでグラウンドに走っていく……そして最後に、こんな問いかけが映し出される。
《子どもの心を尊重していますか?》
いわゆる「教育虐待」をテーマとしたCMである。このCMについて、ACはホームページでこう意図を説明している。
「子どもの心や身体が耐えられる限度を超えて教育を強制することを『教育虐待』といいます。教育なのか虐待なのか? その線引きは非常に難しいですが、子どもは親に『褒めてもらいたい』『認めてもらいたい』と、自分の本当の思いを抑えてしまうこともあります。だからこそ、子どもとコミュニケーションをよくとり、‟心の行間”を読み取ることが大切です」