カナダのトルドー首相が、アメリカのトランプ大統領による輸入品への関税措置に対し、対抗措置を発表しました。両国間の貿易摩擦が再び激化し、今後の経済動向に注目が集まっています。
トランプ大統領、カナダからの輸入品に関税賦課
2025年2月1日、トランプ大統領はカナダからの輸入品に対し25%の関税を課す大統領令に署名しました。この決定は、アメリカ国内産業の保護を目的としたものとされていますが、カナダをはじめとする国際社会からは強い反発の声が上がっています。
トルドー首相、対抗措置として米国製品に関税
トルドー首相は同日夜、首都オタワで記者会見を行い、トランプ大統領の決定を「両国を分断するものであり、協力を促進するものではない」と強く批判しました。そして、アメリカからの輸入品に対しても同等の関税をかける対抗措置を発表しました。
カナダの対抗措置の内容
トルドー首相は、アメリカの関税措置が発効する4日から、300億カナダドル(約3兆2000億円)相当のアメリカ製品を対象に25%の関税をかけると表明しました。対象品目には、ビール、ワイン、オレンジジュース、家電製品、木材などが含まれると説明しています。さらに3週間後には、対象規模を1550億カナダドルに拡大する予定です。
alt トルドー首相、記者会見でアメリカの関税措置に反発
過去の米加貿易摩擦
実は、トランプ政権下での米加貿易摩擦は今回が初めてではありません。2018年にも、トランプ大統領はカナダからの鉄鋼とアルミニウムに高関税をかけ、カナダはハーレーダビッドソンのバイクやバーボンウイスキーなどへの関税で対抗しました。この関税合戦は、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定USMCAが締結される2019年まで続きました。
専門家の見解
国際貿易経済学の専門家である山田教授(仮名)は、「今回の関税措置は、両国の経済に悪影響を及ぼす可能性が高い」と指摘しています。「特に、サプライチェーンが複雑に絡み合った製造業への影響は甚大であり、消費者の負担増加も懸念される」と述べています。
今後の見通し
今回の米加貿易摩擦の再燃は、両国経済だけでなく、世界経済にも大きな影響を与える可能性があります。今後の両国政府の対応、そして国際社会の動向に注目が集まっています。