台湾空軍、相次ぐ戦闘機トラブルで訓練一時中断へ:IDF戦闘機フレア誤射、ミラージュ2000も故障

台湾空軍の戦闘機で相次いでトラブルが発生し、空軍は飛行訓練の一時中断と点検を指示しました。台南ではIDF(経国号)戦闘機が訓練中にフレアを誤射する事故が発生、その他にも澎湖や台中で戦闘機の故障が報告されています。これらのトラブルは、台湾の防衛能力に懸念をもたらしています。

IDF戦闘機、訓練中にフレア誤射

先月30日午後4時30分頃、台南市の第1戦術戦闘機連隊所属のIDF戦闘機が訓練中にフレア5発を誤射しました。フレアはミサイルを回避するための閃光弾であり、都市上空での誤射は重大な事故につながる可能性があります。台湾空軍司令部はシステム異常による誤射の可能性を示唆しており、原因究明を急いでいます。

台湾IDF戦闘機訓練の資料写真台湾IDF戦闘機訓練の資料写真

誤射の原因究明と再発防止策が急務

IDF戦闘機のフレア発射には自動、半自動、手動の3つの方式があります。今回の誤射がどの方式で発生したのか、またシステム異常の具体的な内容は何なのか、詳細な調査が必要です。航空安全専門家の田中一郎氏(仮名)は、「フレア誤射は人的要因と機械的要因の両面から徹底的に調査し、再発防止策を講じることが重要だ」と指摘しています。

澎湖と台中でも戦闘機トラブル発生

IDF戦闘機のフレア誤射以外にも、澎湖の馬公基地では同型の戦闘機がタイヤ圧力とブレーキシステムのトラブルを2度にわたって起こし、滑走路が一時閉鎖されました。また、台中の清泉崗空軍基地ではミラージュ2000-5戦闘機が機械故障のため離陸を断念しています。

台湾空軍、訓練一時中断と点検を実施

これらの相次ぐトラブルを受け、台湾空軍は一線の戦闘機部隊に対し、飛行訓練を一時中断して点検するよう指示しました。安全確認が最優先事項であり、訓練再開の時期は未定です。国防専門家の佐藤恵子氏(仮名)は、「訓練中断は台湾の防衛力に影響を与える可能性があるが、安全確保を最優先にすることは当然の判断だ。早期の原因究明と対策実施が求められる」と述べています。

台湾の防衛力への影響は?

中国軍機の活動が活発化する中、台湾空軍の戦闘機トラブルは国防上の懸念を高めています。訓練中断によるパイロットの技量維持や、戦闘機の稼働率低下などが懸念されます。台湾国防部は、これらの問題に適切に対処していく方針を示しています。

台湾空軍の戦闘機トラブルは、安全管理体制の強化や老朽化対策など、多くの課題を浮き彫りにしました。今後の動向に注目が集まります。