崔相穆経済副首相弾劾騒動:辞任劇で幕引き、韓国政界の混迷深まる

韓国政界で1日、崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政長官の弾劾訴追案をめぐる騒動が勃発し、辞任劇という形で幕を閉じました。この一件は、韓国政界の不安定さを改めて浮き彫りにする形となりました。

野党による電撃弾劾案提出の背景

最大野党「共に民主党」は1日夕、国会本会議において崔副首相の弾劾訴追案を電撃的に提出しました。この背景には、同党の李在明(イ・ジェミョン)前代表の公職選挙法違反事件の二審判決が無罪から逆転破棄されたことへの反発があるとみられています。共に民主党は、この判決を政権による政治的な圧力と捉え、崔副首相への弾劾訴追という形で対抗姿勢を示したと分析されています。

韓国国会議事堂での抗議の様子韓国国会議事堂での抗議の様子

与党の猛反発と辞任表明

弾劾訴追案提出に対し、与党「国民の力」は強く反発。国会本会議では与野党議員による激しいやり取りが繰り広げられました。混乱の中、崔副首相は弾劾訴追案上程直前に辞意を表明。韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行がこの辞任を受理したことで、弾劾訴追案の採決は見送られることとなりました。

弾劾訴追案採決中止の顛末

禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は、採決手続きの途中で崔副首相の免職が政府から通知されたと発表。投票を中止し、本会議は散会となりました。結果的に弾劾訴追案は採決に至らず、崔副首相の辞任という形で決着しました。

政治的混乱と今後の展望

今回の弾劾騒動は、韓国政界の対立の激化を象徴する出来事となりました。共に民主党は、崔副首相の辞任を「責任逃れ」と批判し、引き続き政権への攻勢を強める構えを見せています。一方、国民の力は、共に民主党の強硬姿勢を非難し、政権運営への協力を求めています。

韓国国会の様子韓国国会の様子

今回の騒動は、韓国経済への影響も懸念されています。経済政策の責任者である経済副首相の突然の辞任は、政策の継続性や市場の安定に悪影響を与える可能性があります。 今後の政局の動向、そして韓国経済への影響に注目が集まります。