トランプ米大統領は3日、管理権の奪還に意欲を示すパナマ運河について「中国の関与は長くは続かない」と主張した。レビット大統領報道官によると、トランプ氏は近く中国の習近平国家主席と協議するといい、議題となる可能性がある。トランプ氏は7日にパナマ側とも話し合う予定で、運河からの中国の排除に向けて動きを加速させている。
パナマ運河は20世紀初頭に米国が建設し、1999年にパナマに返還するまで管理した。現在は香港系の企業が運河の主要港を運営しており、トランプ政権は警戒感を強めている。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に、「米国がこれまで建設した中で最も費用のかかったプロジェクトだ。実質的にはただ同然で手放した」などと強調。さらに「中国に渡したわけではない。パナマに渡したが、パナマは(運河の永久中立を定めた)協定に違反した」と述べ、改めて運河の奪還に意欲を示した。
一方、ルビオ米国務長官は3日のX(ツイッター)で、パナマのムリノ大統領が中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の協力の覚書を更新しないと表明したことについて「米国とパナマとの関係や自由な運河に向けた大きな前進だ」と評価した。【ワシントン松井聡】