フジテレビとジャニーズ事務所:日枝氏に問われる責任と沈黙の真相

フジテレビを揺るがす一連の不祥事。中居正広氏の女性トラブルに端を発し、港社長、嘉納会長の辞任、そして遠藤副会長の辞任表明と、激震が続いています。しかし、”フジテレビの天皇”と呼ばれた日枝久相談役は、その座に留まり続けようとしています。そこで浮上するのは、旧ジャニーズ事務所との不適切な関係、そしてジャニー喜多川氏の性加害問題におけるメディアの沈黙に対する責任です。

旧ジャニーズ事務所との蜜月関係とメリー氏の圧力

日枝氏が社長を務めていた1988年から2001年にかけて、フジテレビとジャニーズ事務所は蜜月関係にありました。『SMAP×SMAP』の大ヒット、木村拓哉氏主演ドラマ『ロングバケーション』の社会現象化など、ジャニーズタレントの活躍が目覚ましい時代でした。しかし、その裏で囁かれていたのが、メリー喜多川氏によるメディアへの圧力です。共演者への不満を局の社長に直接訴え、交代を要求するといった逸話も報じられています。

メリー喜多川氏とジャニーズタレントメリー喜多川氏とジャニーズタレント

週刊文春の報道の一部は訂正されましたが、裁判所がメリー氏の圧力の存在を認めている点も見逃せません。当時の芸能記者によると、メリー氏の圧力は業界では周知の事実だったといいます。フードコーディネーターのAさんも「当時、テレビ局はジャニーズ事務所に忖度せざるを得ない状況だった」と証言しています。(Aさんは仮名)

ジャニー喜多川氏の性加害問題とメディアの沈黙

ジャニー喜多川氏の性加害問題は、BBCの報道がきっかけとなり、日本でも大きく取り上げられるようになりました。外部専門家による再発防止特別チームは、問題の放置・隠蔽の原因の一つに「マスメディアの沈黙」を指摘。1990年代後半、ジャニーズタレントがフジテレビの番組で活躍していた時期と、日枝氏の社長在任期間が重なります。日枝氏がメリー氏の圧力に屈し、性加害問題の隠蔽に加担していた可能性は否定できません。

沈黙を破るために必要なこと

ジャニー氏の性加害問題を風化させないためには、メディアの責任を徹底的に追及する必要があります。各テレビ局が制作した検証番組は、踏み込んだ内容とは言えず、当時の幹部の証言が不可欠です。1980年代に台頭したジャニーズ事務所が、1990年代後半以降、各局に影響力を持つようになった経緯を明らかにする必要があります。当時の幹部が「ジャニーズ忖度」の土壌を作り、その流れが現在まで続いていると指摘する声もあります。

日枝氏に求められる説明責任

日枝氏は、フジテレビの一連の問題だけでなく、旧ジャニーズ事務所との関係、そしてジャニー喜多川氏の性加害問題におけるメディアの沈黙について、記者会見を開き、説明責任を果たすべきです。真相究明なくして、真の再発防止はあり得ません。

日枝久氏日枝久氏

真実はどこにあるのか。私たちは、今後の動向を注視していく必要があります。