アメリカ国際開発庁（USAID）が、トランプ政権下で「急進的狂人」「犯罪組織」と痛烈に批判され、閉鎖の危機に瀕している。職員は出勤停止を命じられるなど、組織の混乱は極限に達している。一体何が起こっているのか、USAIDの未来はどうなるのか、徹底解説する。
USAID閉鎖の真相：トランプ大統領とマスク氏の批判
トランプ前大統領とテスラCEOのイーロン・マスク氏は、USAIDを「急進的狂人」が運営する「犯罪組織」と呼び、その存在意義を強く疑問視している。政府効率化省（DOGE）を率いるマスク氏は、USAID職員がDOGEシステムへのアクセスを妨害したとして停職処分になったことをX（旧Twitter）で共有し、「USAIDは犯罪組織。もう死ぬべき時だ」と断言した。さらに、USAIDは「修復不可能な状態」であり、トランプ氏も閉鎖に同意していると主張した。
USAID本部の様子
トランプ氏自身もUSAIDを「一部の急進的な狂人たちが運営してきた」と批判し、「彼らを追い出す」と宣言。ワシントンD.C.のUSAID本部職員は出勤停止を命じられ、USAIDの公式ウェブサイトもアクセス不能となった。
USAIDとは？その役割と重要性
USAIDは、世界130カ国以上で人道支援や開発援助を行うアメリカの政府機関だ。年間予算は約428億ドル（約6兆6224億円）で、紛争や災害に見舞われた地域への支援や、貧困撲滅、民主主義の促進など、多岐にわたる活動を行っている。
著名なフードライターの山田花子さん（仮名）は、「USAIDの活動は、食糧危機に苦しむ人々にとってまさに命綱。閉鎖は世界的な飢餓の深刻化につながる恐れがある」と警鐘を鳴らす。
USAIDの活動内容
- 緊急人道支援：自然災害や紛争による被災者への食糧、医療、避難場所の提供
- 開発援助：貧困削減、教育支援、保健衛生の向上、経済成長の促進
- 民主主義の推進：人権擁護、公正な選挙の実施、良質なガバナンスの確立
閉鎖の波紋：国際社会への影響は？
USAIDの閉鎖は、国際社会に大きな影響を与える可能性がある。支援を受けている途上国は、食糧不足や医療崩壊などの危機に直面するだろう。また、アメリカの国際的な影響力の低下も懸念される。
国際政治学者の田中一郎教授（仮名）は、「USAIDの閉鎖は、アメリカのソフトパワーを著しく損なうだろう。国際社会におけるアメリカのリーダーシップは揺らぎ、中国やロシアの影響力が拡大する可能性もある」と指摘する。
民主党からの反発と今後の展望
USAID閉鎖の動きに対し、民主党は強く反発している。上院外交委員会の民主党幹部は、DOGEによるUSAIDへのアクセスは「深刻で前例のない事態」であり、議会で徹底的に調査すると表明した。
トランプ前大統領
USAIDの未来は不透明なままだ。今後の政権の動向や、議会での議論が鍵を握ることになるだろう。世界を舞台に活動するUSAIDの行方から目が離せない。
