ベトナム初の地下鉄で、まるでジムのようにつり革やポールを使って筋トレをする男性の動画がSNSで拡散され、批判が殺到しました。日本の技術協力で開業したばかりの地下鉄での迷惑行為に、ベトナム国民からも怒りの声が上がっています。
開業間もない地下鉄で起きた騒動
2024年12月に開業したホーチミン市の地下鉄。日本の技術支援を受け、20年もの歳月をかけて完成した待望の交通インフラです。開業当初は多くの市民で賑わい、新たな交通手段として期待されていました。しかし、その喜びもつかの間、ある男性が地下鉄内で筋トレをする動画をSNSに投稿し、炎上騒ぎへと発展しました。
動画の内容と批判の声
動画には、男性がつり革にぶら下がり足を浮かせて腹筋運動のような動作をする様子や、ポールで懸垂をする様子、さらには片腕でポールを掴みながら階段を上るような動き、そして空中で寝そべるようなポーズなどが映っていました。まるで地下鉄の車内をパーソナルトレーニングジムと勘違いしているかのような振る舞いに、「信じられない」「国の財産をなんだと思っているんだ」「地下鉄の使用を禁止すべきだ」など、非難の声が集中しました。中には「筋肉は大人でも脳みそは赤ちゃんのようだ」と揶揄するコメントも見られました。
ベトナム地下鉄で筋トレをする男性
ホーチミン市のコミュニティーページでは、この騒動を受け、つり革が壊れる可能性を指摘する写真とともに注意喚起を行う投稿も現れました。公共交通機関における安全性を脅かす行為として、改めて問題の深刻さが浮き彫りになりました。
男性は謝罪、教訓を語る
批判が殺到する中、男性は問題の動画を削除し、SNS上で謝罪しました。「初めて地下鉄に乗った日の興奮で、不適切な行動をしてしまった。地下鉄の規則に違反していることを認識し、反省している」とコメント。今回の騒動を「貴重な教訓」と捉え、同様の迷惑行為が二度と起こらないように願うと表明しました。
専門家の見解
鉄道安全コンサルタントの山田一郎氏(仮名)は、「公共交通機関は多くの人の安全を確保するために厳格なルールが定められています。個人の楽しみや自己表現のために、他人に迷惑をかける行為は許されるべきではありません。今回の件は、公共の場におけるモラルと責任について改めて考えるきっかけになるでしょう」と述べています。
ベトナムの地下鉄
今後の課題と教訓
今回の事件は、SNSの普及により個人の行動が瞬時に拡散される現代社会における情報発信のあり方についても一石を投じています。興奮のあまり軽率な行動をとってしまう前に、一度立ち止まって考えることの重要性を改めて認識する必要があるでしょう。また、公共交通機関の利用者一人ひとりがルールとマナーを守り、安全で快適な空間を共有していく意識を持つことが大切です。