【老後破産】3000万円の退職金があっという間になくなる現実と対策

老後は安泰に暮らせると思っていたのに、現実は厳しい…という状況は、誰にでも起こりうる可能性があります。かつて高収入だった人も、退職金や年金だけでは生活が苦しくなるケースが増えています。この記事では、老後資金不足の深刻な影響と、今からできる対策について、ファイナンシャルプランナーの視点も交えて解説します。

夢の老後生活が暗転? よくある落とし穴

alt 元部長が居酒屋で割り勘をしている様子alt 元部長が居酒屋で割り勘をしている様子

大手企業の部長として活躍し、部下から慕われていた田中さん(仮名・70歳)。月収80万円、家族旅行やゴルフを楽しむなど、充実した日々を送っていました。3000万円の退職金と月25万円の年金で、老後の心配は無用に見えました。しかし、ある飲み会で元部下たちは衝撃を受けます。居酒屋で割り勘を計算する田中さんの姿は、かつての気前の良い上司とは別人のようだったのです。「老後は悲惨だな…」とささやく声が聞こえてきました。

想像以上にかかる老後費用、3000万円は本当に十分?

平均的な退職金は、大企業で約2140万円、中小企業で約1092万円(厚生労働省、東京都産業労働局調べ)。田中さんの3000万円は高額ですが、住宅ローン残債1200万円、子供の結婚資金500万円、親の介護費用600万円で、あっという間に700万円に。さらに生活費や趣味の出費で、5年後には貯蓄は200万円を切っていました。

ファイナンシャルプランナーの山田さん(仮名)は、「退職金は住宅ローン返済や子供の結婚資金など、予期せぬ出費で大きく減ることが多いです。老後にかかる費用を過小評価している人が多いのが現状です。」と指摘します。

総務省の調査では、夫婦2人世帯の平均支出は約28万円。医療費や介護費用も加わり、生活費はさらに膨らみます。「年金だけで生活できると思っていたが、物価上昇や医療費の負担増を甘く見ていた」と田中さんは後悔しています。

老後資金不足を防ぐための対策とは

老後資金不足に陥らないためには、早めの対策が重要です。具体的には以下のような対策が考えられます。

支出の見きわめと削減

家計簿をつけて支出を把握し、無駄な費用を削減しましょう。固定費の見直しや、食費、光熱費などの節約も効果的です。

資産運用で老後資金を増やす

NISAやiDeCoなどの制度を活用し、長期的な資産運用で老後資金を増やすことを検討しましょう。リスク許容度や投資期間を考慮し、自分に合った方法を選びましょう。ファイナンシャルプランナーに相談することも有効です。

働き続ける

定年後も再雇用制度を利用したり、パートタイムで働くなど、収入源を確保することで生活の安定につながります。

公的支援制度の活用

自治体の介護保険サービスや、生活保護などの公的支援制度についても理解しておきましょう。

早いうちから計画的に準備することで、安心して老後を迎えられる可能性が高まります。