台湾に襲来した記録的な寒波の影響で、わずか1日で78人が死亡するという痛ましい事態が発生しました。亜熱帯気候の台湾では、異例の低温に見舞われ、多くの高齢者が命を落としたのです。この記事では、この寒波被害の実態、原因、そして今後の対策について詳しく解説します。
寒波被害の全容:78人の命を奪った未曾有の事態
中国時報などの台湾メディアによると、2025年1月8日、寒波の影響で0時から午後9時の間に78人が死亡しました。これは、台湾における寒波による一日の死者数としては過去最多記録です。死者は北部、南部、中部など台湾全域に及んでおり、特に北部の台北で11人、最南端の屏東で10人、南部の台南で9人が亡くなりました。
台湾の寒波被害の様子
中部・台中で亡くなった7人は、外傷はなく、病院以外の場所で心停止状態で発見され搬送されました。死亡者の年齢は54歳から89歳と、高齢者が多くを占めています。
寒波の原因と深刻な被害:亜熱帯の島に北極並みの寒さ
台湾中央気象署(CWA)によると、8日午前、島しょ部の馬祖列島地域の気温は5.4度まで下がり、体感温度は1~2度でした。これは北極圏に近い寒さであり、亜熱帯気候の台湾にとっては異常事態です。
台湾メディアは、政府の消防署統計を引用し、2024年12月9日から31日にかけて853人、2025年1月1日から11日にかけて492人など、約1カ月間で1345人が寒波の影響で死亡したと報じています。この数字は、寒波の深刻さを物語っています。
専門家の見解:急激な温度変化が心臓に負担
ある医師は、「突然死のうち約70%は、気温の低い冬の午前6時から10時の間に自宅で発生する」と指摘しています。温かい布団から出た時の急激な温度変化が、心臓に大きな負担をかけることが原因と考えられます。
今後の対策と注意点:寒さへの備えが重要
台湾の冬の平均気温は10度台半ばで亜熱帯気候に属し、通常は韓国よりも気温は高いです。しかし、湿度は非常に高く、住宅にはオンドルのような暖房設備がないため、体感温度は低くなりがちです。そのため、寒波への備えが非常に重要となります。
専門家からのアドバイス:急激な温度変化を避ける
専門家は、「温かい布団から出たら衣服と靴下を身につけ、ゆっくり動きながら外の空気に触れること」とアドバイスしています。急激な温度変化を避け、体を徐々に寒さに慣れさせることが大切です。
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まとめ:寒波への意識を高め、命を守ろう
今回の寒波による被害は、台湾における寒さ対策の重要性を改めて示しました。急激な気温の変化は体に大きな負担をかけるため、特に高齢者は注意が必要です。温かい服装を心がけ、室内温度を適切に保つなど、寒さ対策を徹底することで、健康被害を最小限に抑えることができます。