ショーン・コムズ、別名「ディディ」あるいは「パフィ」──1990年代のヒップホップシーンを牽引し、莫大な富を築いた音楽プロデューサー。しかし、その華やかなイメージの裏には、性的搾取という深い闇が隠されていた。2024年9月、彼を襲った性的人身売買や恐喝などの容疑での逮捕は、世界中に衝撃を与えた。被害者は120名以上、中には未成年者も含まれるという事実は、ハリウッドの倫理観を揺るがす大スキャンダルへと発展した。
ディディ事件：被害者たちの勇気ある告発
ドキュメンタリー番組『The Fall of Diddy』で、被害者の一人であるタリア・グレイブスさんが沈黙を破り、コムズ被告から受けた性的被害を告発した。長年にわたる苦しみを告白する彼女の言葉は、事件の深刻さを改めて浮き彫りにした。
性的パーティーを主催していたと見られるコムズ被告（Getty Images）
「フリーク・オフ」と呼ばれるコムズ被告主催の性的パーティーでは、数々の性的虐待や暴行が行われていたという。性行為を拒否した女性への暴力、その様子を撮影しての口止め、違法薬物の強制使用など、告発内容は目を覆うばかりだ。
ハリウッドの沈黙：事件の真相究明を阻む壁
コムズ被告は、米エンタメ界の重鎮として幅広い人脈を持つ。そのため、「フリーク・オフ」への他のセレブの関与も噂されている。デビュー当時からコムズ被告と親交のあるジャスティン・ビーバーの近年の変化も、この事件との関連性が疑われている。
アメリカの芸能ジャーナリスト、サラ・ミラー氏（仮名）は、「ドナルド・トランプ前大統領やラッパーのジャ・ルールが目撃されたという証言もある」と指摘し、事件の背後にはさらに多くの著名人が関わっている可能性を示唆する。しかし、多くのセレブは沈黙を守り、真相究明は難航している。
勇気ある告発者たち：事件解明の光
著名人たちの沈黙とは対照的に、名もなき人々の勇気ある告発が事件解明の光となっている。彼らの証言により、事件の全容が少しずつ明らかになりつつある。
肉体の上に食べ物が…コムズ被告が主催した“酒池肉林”のパーティー内部写真
事件の真相と今後の行方：ハリウッドの未来への影響
コムズ被告の事件は、ハリウッドの闇を浮き彫りにしただけでなく、業界全体の倫理観を問う大きな転換点となるだろう。被害者たちの声に耳を傾け、真摯に真相究明に取り組むことが、未来のハリウッドを守るために不可欠だ。
