秋の叙勲 旭日小綬章 歌手・水前寺清子さん(74) 元気伝え「今後も一歩ずつ」





旭日小綬章受章が決まり喜びを語る歌手の水前寺清子さん

 「本当にいいんでしょうか、という気持ち」-。デビュー55年の節目の受章に驚きを隠さない。

 12歳で熊本から上京。「十数曲をレコーディングしたけど、デビューできなくて。父が悲しんでいたのがつらかった」

 後に自身の代表曲ともなった「三百六十五歩のマーチ」を作詞した星野哲郎氏に師事し、東京五輪が開かれた昭和39年に19歳でデビュー。このときから、着流しの和装姿が定番だった。

 だからこそ、イメージを一変させた「三百六十五歩…」は「この曲で(歌手人生も)終わりかな、と思った」と苦笑する。実際は、「今も子供たちが歌ってくれたり、吹奏楽で演奏してくれたり」と世代を超えた名曲となった。平成28年の熊本地震では復興のシンボル曲に。

 歌手と同時に大ヒットドラマ「ありがとう」の主演や紅白歌合戦の司会など、全力で走り続けてきた。“小さい民子(本名)”を意味する「チータ」と呼ばれる限り、「元気がいいねと言ってもらえるように、今後も一歩ずつ歩んでいきたい」と語った。(兼松康)



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