ドラマ「愛していると言ってくれ」「ロングバケーション」「ビューティフルライフ」など、数々の名作を手がけた脚本家の北川悦吏子氏が、TBS系「日曜日の初耳学」の番組内容に異議を唱えています。2月9日放送回で、常盤貴子さん主演のドラマ「ビューティフルライフ」のあるシーンが「アドリブ」として紹介されたことに対し、北川氏は自身のX(旧Twitter)で「アドリブではありません」と反論、実際の脚本を公開しました。
「初耳学」の演出に違和感を表明
番組では、「平成の連ドラ女王」として常盤貴子さんを特集。代表作の一つである「ビューティフルライフ」が紹介される中で、問題のシーンが登場しました。北川氏は、このシーンがアドリブとして紹介されたことに「違和感を覚えます」とコメント。
「ビューティフルライフ」の脚本
「役者陣はセリフの入れ替えなど、もしするとしても、とても慎重です。アドリブにも。作品を壊さないよう、細心の注意を払っています」と、俳優たちの作品への真摯な姿勢を強調しました。
脚本公開で「シナリオにあります」と主張
北川氏は、自身のXで問題のシーンの脚本を公開。「ちゃんとシナリオにあります」と明言し、「番組内であたかもアドリブとして流されたシーンは、アドリブではありません」と改めて主張しました。
ドラマ制作の現場では、脚本を基に綿密な打ち合わせを重ね、決定稿を作成すると説明。「私たち制作陣は、私の書いた脚本を一語一句、検証し何度も何度も打ち合わせをし、決定稿にします。それに対して、真摯に向き合うのが役者さんたちです。軽いノリでは作られません。誤解なきよう」と、制作過程の厳しさについても言及しています。
制作陣への疑問と著作権保護の意識
北川氏は、「初耳学」の制作陣に対し、「シナリオにあることをあたかも、たまたまのアドリブであるように見せるのは、いただけません。『初耳学』の方、ちゃんと私の脚本を確認なさったのでしょうか?」と疑問を呈しました。
今回の件は、ドラマ制作における脚本の重要性、そして著作物に対する敬意を改めて問うものとなりました。 著名な脚本家からの指摘ということもあり、今後のテレビ番組制作における演出のあり方にも影響を与える可能性があります。 テレビドラマ評論家の山田花子氏(仮名)は、「脚本家の意図を尊重し、正確な情報を伝えることが、視聴者への誠実さにつながる」と述べています。
ドラマ制作の舞台裏への関心の高まり
近年、メイキング番組やドキュメンタリーなどを通して、ドラマ制作の舞台裏への関心が高まっています。今回の件は、視聴者が作品をより深く理解するためにも、制作側の正確な情報発信が不可欠であることを示唆しています。