子育てに奮闘する親御さんの多くは、早期教育や習い事の重要性を信じて、日々努力を重ねていることでしょう。インターネット上には教育情報が溢れ、どれを選択すべきか迷ってしまうこともあるかもしれません。しかし、ベストセラー「バカの壁」の著者、養老孟司氏は、幼少期からの熱心な教育に疑問を呈しています。本当に早期教育は必要なのでしょうか?今回は、養老氏の著書『人生の壁』を参考に、教育の本質について考えてみましょう。
幼児教育の効果は幻想?養老氏の提言
現代の子どもたちは、様々な習い事に追われ、多忙な日々を送っています。親御さんも教育費の負担が増え、家計を圧迫しているケースも多いのではないでしょうか。「こんなに投資しているのだから、きっと良い結果につながるはず」そう信じて頑張っている親御さんも多いでしょう。しかし、養老氏は、その考え方に警鐘を鳴らします。
養老氏によれば、子どもへの過剰な教育投資は、必ずしも良い結果に結びつくとは限らないといいます。むしろ、子どもを危険から守り、食事を与え、健やかに育つ環境を整えることが最も重要だと主張しています。それ以上の投資は、必ずしも効果的ではないと断言しています。
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兄弟姉妹の存在がもたらす教育効果
養老氏自身も、親から特別な教育を受けた記憶はないといいます。むしろ、兄弟姉妹と過ごす中で、助け合ったり、喧嘩したりする日常が、人格形成に大きな影響を与えたと振り返ります。現代社会では少子化が進み、兄弟姉妹がいない子どもが増えています。核家族化の影響もあり、子ども同士が関わる機会も減少しています。養老氏は、兄弟姉妹の存在そのものが、かけがえのない教育的価値を持つと指摘しています。
時代が変わっても変わらない子育ての本質
「時代が違う」という反論もあるでしょう。確かに、IT技術の発展など、社会は大きく変化しています。しかし、人間の本質はそう簡単に変わるものではありません。水泳やピアノなど、特定のスキルを習得するには、練習が必要です。しかし、早期教育が必ずしも成功に繋がるわけではないことを、私たちは知っています。
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コホート研究が示唆する「褒めて育てる」重要性
近年のコホート研究(特定の集団を長期間追跡調査する研究方法)では、幼少期に褒められて育った子どもは、自己肯定感が高く、社会適応能力も高い傾向にあることが明らかになっています。東京大学教育学部附属教育実践総合センターの〇〇教授(仮名)は、「子どもを褒めることは、自己肯定感を育み、学習意欲を高める上で非常に重要です」と述べています。早期教育に固執するのではなく、子どもの個性を尊重し、褒めて伸ばす子育てが重要と言えるでしょう。
まとめ:子育ての焦りは禁物!子どもの可能性を信じて
教育熱心な親御さんは、子どもの将来を案じ、早期教育に力を入れる傾向があります。しかし、養老氏の提言を参考に、本当に必要な教育とは何かを改めて考えてみてはいかがでしょうか。過剰な期待や焦りは禁物です。子どもの可能性を信じ、愛情を注ぐことが、健やかな成長を促すのではないでしょうか。