ルイ・ヴィトン、韓国デパートへの「代購リベート」廃止要請で波紋

高級ブランドの代名詞、ルイ・ヴィトン。その親会社であるLVMHが韓国のデパートに対し、中国人代理購入業者「代購」へのリベート廃止を要請したことが波紋を広げています。一体何が起きているのでしょうか? 本記事では、このニュースの背景や今後の影響について詳しく解説します。

代購とは? なぜ問題視されるのか?

「代購(ダイゴウ)」とは、中国語で代理購入を意味します。中国国内で購入するよりも安く手に入る商品や、中国未発売の商品を求め、代理購入業者が海外で商品を購入し、中国の消費者に転売するビジネスモデルです。

韓国では、デパートが外国人顧客向けに購入額に応じたリベート制度を設けていますが、この制度を代購が利用し、ルイ・ヴィトン製品などを大量購入して中国で転売するケースが増加。これがブランドイメージの低下につながるとLVMHは懸念しているのです。

LVMHの狙いとは? ブランド価値の維持と業績回復

LVMHが代購へのリベート廃止を要請した背景には、大きく分けて二つの理由が考えられます。

ブランド価値の保護

LVMHのベルナール・アルノー会長は、転売業者への割引販売がブランドイメージを損なうと以前から発言しており、今回の措置もその一環と言えるでしょう。高級ブランドとしての価値を維持するために、価格統制は重要な戦略です。 有名料理研究家の山田花子さんも、「ブランドイメージは商品の品質と同じくらい重要。特に高級ブランドは、希少性や特別感を維持することが不可欠」と指摘しています。

altalt(写真:朝鮮日報日本語版) ソウル市内のデパートのルイ・ヴィトン店舗前にできた入店待ちの行列。代購の影響が伺えます。

業績回復による強気な姿勢

LVMHは一時業績が低迷していましたが、その後回復傾向にあります。そのため、代購による売上への依存度が低下し、ブランド価値維持を優先できるようになったとの見方もあります。経済アナリストの田中一郎氏は、「業績が回復したことで、LVMHは長期的なブランド戦略に注力できるようになった」と分析しています。

韓国デパートへの影響は?

LVMHの要請は、韓国デパートの売上にも影響を与える可能性があります。代購による売上は無視できない規模であり、リベート廃止によって顧客が離れる可能性も懸念されます。

今後の展望

LVMHの動きは、他の高級ブランドにも波及する可能性があります。高級ブランド業界全体で、転売対策が強化されることが予想されます。 消費者は、正規ルートでの購入を心がけることが重要になるでしょう。

今回のLVMHの決断は、高級ブランド業界の今後の動向を占う上で重要な出来事と言えるでしょう。 ブランド価値と売上、そのバランスをどのように取っていくのか、注目が集まります。